2012 Fiscal Year Annual Research Report
摘出心房展開標本を用いた異常自動能にともなう不整脈発現機構の光イメージング解析
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22590787
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
酒井 哲郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40153845)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光イメージング / 膜電位感受性色素 / 心房 / 不整脈 / カオス / カルシウムイオン / event-to-event variation / CCDカメラ |
Research Abstract |
本年度もひきつづき、摘出心房標本で誘発された不整脈発現時の興奮波伝播パターンの膜電位感受性色素を用いた光学的マッピングのデータの蓄積をおこなった。その結果、tetanus刺激により誘発される頻拍性不整脈(tachycardia-like excitation)において、刺激の過程および刺激終了後の1~2秒間の時期に興奮伝播の不規則なblock(blocked area)や異所性自動能のfocusが出現する複雑な(“chaotic”な)興奮伝播パターンが現れ、その後準安定的な興奮のcircus movementあるいは異所性ペースメーカーが発現するパターンに移行することが明らかにされた。さらにこの過程における興奮伝播パターンは不整脈のイベントによってひとつひとつ異なっていることが時間的・空間的マッピングにより明らかとなった。これらの実験結果で見られるイベント間の発現パターンの違い(event-to-event variations)に注目し、ここで見られる現象がカオス的ではないかという視点からのデータの解析を開始した。その結果、ここで見られるvariationsは不整脈発現時における生理学的初期条件のわずかな違いによって引き起こされるものであることが示唆された。この「複雑系」としての特徴はここで見られる不整脈が「機能的自己組織化」的現象であるという考えを強く支持するものである。これらの事から、この不整脈が“physiology-specific attractor”と呼ぶべきものであることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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