2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病合併冠動脈疾患患者における,心拍低下療法の妥当性を問う観察研究
Project/Area Number |
22590788
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
井上 卓 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00537102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 真一郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80285105)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 安定冠動脈疾患 / 心拍数 / β遮断薬 / 予後 / 糖尿病 |
Research Abstract |
あらゆる対象者において、心拍数は予後と関連を有することが示されている。また追跡時心拍数は、観察開始心拍数に増して、予後と密接に関連することが近年示されている。さらに、純粋な心拍低下薬であるイバブラジン用いた臨床研究の結果は、心拍数自体が治療標的であることを示した。これらを背景として、我々は糖尿病合併安定冠動脈疾患患者を対象としたレジストリを構築し、心拍数と心血管イベント(総死亡・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中)の関連を評価した。対象者1591人(男性67%,平均年齢67.6[10.2]歳)の33%が心筋梗塞、17%が脳卒中の既往を有し、観察開始時心拍数は78(13)bpm、その他の心代謝因子は以下の通りであった;血圧136(20)/74(13)mmHg,LDL-C 109(34)mg/dl,HbA1c 7.0(1.4)%。平均追跡期間3.2(1.9)年間に、287件の心血管イベント(総死亡199件・非致死性心筋梗塞40件・非致死性脳卒中69件)が認められ、イベント発症率は以下の通りであった;心血管イベント64.0/1000患者・年(総死亡 37.0/1000患者・年,非致死性心筋梗塞7.5/1000患者・年,非致死性脳卒中13.2/1000患者・年。交絡因子で補正したCOX解析の結果、追跡時の心拍数が10bpm 増加毎に心血管イベント発症リスクが34% (95%信頼区間 16-54%)増加した。また心拍数の上位4分位の85bpm をカットオフ値とすると、追跡時心拍数が85bpm以上は、イベント発症リスクが67% (95%信頼区間 20-128%)増大した。これらの結果より、本邦における安定冠動脈疾患患者においても、心拍数は予後と独立して関連を有し、心拍数を標的とした治療の可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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