2010 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ梗塞モデルにおけるIII群抗不整脈薬が左室貫壁性再分極に及ぼす検討
Project/Area Number |
22590795
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
吉岡 公一郎 東海大学, 医学部, 准教授 (30246087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網野 真理 東海大学, 医学部, 講師 (10407976)
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Keywords | 致死性不整脈 / 動物モデル / III群抗不整脈薬 / 再分極 / マッピング実験 |
Research Abstract |
目的)日本で開発された世界唯一のpure IKr channel blockerであるニフェカラント(NIF)と、multi-channel blockerであるアミオダロン(AMD)の抗不整脈機序を明らかにし、その相違点からVT/VFへの選択的使い分けを明確にすることである。 方法)ビーグル成犬を用いて、チアミラール(15mg/kg,i.v.)+αクロラロース(50mg/kg,i.v.+Div)麻酔下で開胸し、左前下行枝結紮による急性心筋梗塞(AMI)を作成した(n=4)。高頻度連続刺激によるVT/VF誘発とCPRを繰り返し、代謝性アシドーシスに至った時点でVT/VFに対して、AMD(5mg/kg,div)あるいはNIF(0.15mg/kg)を静脈内投与した。 結果)(1)体表面Y誘導心電図によるQT時間計 RR,QT間隔は連続6心拍の平均値とし、QT間隔はBazzett, Fridericia, Van de Waterらの報告式で補正を行った。 これまでの実験では、NIFおよびAMDともに体表面心電図におけるQTc間隔の有意な延長は認めなかった。 (2)64誘導心表面マッピング電極による左室心表面の活動電位回復時間 薬剤投与前後での、64誘導心表面マッピング電極による左室心表面の活動電位回復時間の計測では、梗塞作成直後、CPR後、NIF投与後における再分極時間の変化については、CPR中のNIF投与により最小ARIは27-62%延長したが、最大ARIの延長は認められず、その結果ARIDは42-87%縮小した。これより左室心表面の電気的不均一性は改善した。いっぽうAMD投与後は最小ARIは12-48%延長し、最大ARIは8-30%延長し、その結果ARIDは23-42%縮小した。これにより、NIF/AMDともに左室心表面の電気的不均一を改善することが明らかとなった。
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