2012 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈粥腫破綻機序を解明するための三次元破壊力学手法による独創的解析と治療法開発
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22590798
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣 高史 日本大学, 医学部, 准教授 (10294638)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / プラーク / 急性冠症候群 / 血管内イメージング / 冠動脈 / プラーク破綻 |
Research Abstract |
H24年度は、H22, 23年度において収集したデータの総括的検討を行った。すなわちH22,23年度において、実際に破綻した冠動脈粥腫ならびに易破綻性と思われる粥腫の力学的構造や組織性状の実データを血管内エコー法や光干渉断層図法によって収集したのであるが、これらは2次元的血管断面の断層図であり、これらから3次元再構築ソフトAVIZO やRealiaを用いて3次元立体画像を生成した。これにより、粥腫の破綻は実に多岐にわたっており、種々の分類法で分類できることが判明した。その結果、プラークの破綻は決して単純なものではなく、shoulder type,longitudinal type, oval type, tunnel type, multiple typeなど多岐にわたって分類されることが判明した。そして、急性冠症候群発症の有無はプラークの破綻様式によりある程度決定されることも判明した。発症群と非発症群を分けて比較検討した結果、発症群では特にlongitudinal typeが多かった。単に破綻の程度が大きいというだけでは発症が決まるわけではなく、こうした形状が特に問題であることが示唆された。簡易な流体力学シミュレーションでは血栓形成の引き金になりうる血流の淀みがいかに多く形成されるかが問題であると考えられた。以上のように、粥腫破綻においては当該研究の主目的においた3次元的観点のとおり、粥腫の3次元的な破壊動態の特異性によってその後の急性冠症候群発症の行方が大きく決定されるため、単に破綻しやすさだけでなく破綻の仕方というものが患者の予後を決める大きな因子であることが示唆された。すなわち急性冠症候群の治療や予防には全く新しい視点が必要であることが示され、本研究は臨床的に大きな意義をもち、今後の研究の基盤となる成果をもたらしたものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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