2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590801
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 宏 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10232464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 博之 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80323145)
大場 貴喜 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80431625)
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Keywords | 心筋細胞肥大 / 細胞死 / Ca流入性TRPチャネル / STIM1 |
Research Abstract |
本研究では、心筋細胞が慢性心負荷状態でたどる「代償性心筋細胞肥大・リモデリングから細胞死」という一連の細胞挙動を統合的にとらえ、Ca流入性TRPチャネルによる心筋細胞の運命制御について検討する。 平成23年度は22年度に引き続き、TRPC1の細胞内シグナル物質であるSTIM1のノックアウトマウスに大動脈縮窄(TAC)により圧負荷をかけ、その心筋細胞への影響(心筋細胞肥大、線維化、アポトーシス、オートファジー)について検討した。その結果STIM1ノックアウトにおいて圧負荷にともなう心筋細胞肥大と線維化、特に心筋線維化が強く抑制されることが明らかになった(論文作成中)。さらに、ノックアウトマウスTACモデルにおいてDNAアレイ解析を行ったところ、心筋線維化と関連のあるX遺伝子の強い発現亢進が認められた。この結果はPCR解析によっても確認された。これらの結果は、TRPチャンネル→STIM1→X遺伝子のカスケードが心筋細胞・心線維芽細胞に存在し、それが心線維化・リモデリングに強く係わっている可能性を示唆する。今後、このカスケードについて詳細に検討することにより、「代償性心筋細胞肥大・リモデリングから細胞死」という心筋の一連の細胞挙動を明らかにしてゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)STIM1ノックアウトマウスの解析により新しい知見が得られたこと。 2)DNAアレイ解析により心筋線維化と関連のあるX遺伝子の代償性心筋細胞肥大・リモデリングへの関与を示唆するデータが得られたこと
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Strategy for Future Research Activity |
TRPチャンネル→STIM1→X遺伝子、というカスケードについて詳細に検討することにより、「代償性心筋細胞肥大・リモデリングから細胞死」という心筋の一連の細胞挙動を明らかにしてゆく。
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