2012 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大から心不全発症におけるRNAポリメラーゼの脱リン酸化調節による役割解明
Project/Area Number |
22590802
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本間 覚 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00302422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 俊 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30282362)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心肥大 / 心不全 / RNAポリメラーゼ / 脱リン酸化酵素 / アポトーシス |
Research Abstract |
心肥大の形成過程において、RNAポリメラーゼII (Pol II) の活性亢進による転写産物の産生増加が認められ、そこにPol II活性を正に制御するCdk9の活性増加が関与している。一方、Pol II活性を負に制御するFCP1の不全心筋における役割は不明である。 平成24年度は昨年度と同様、22年度に作製した心筋特異的FCP1トランスジェニックマウス(FCP1-Tg)および、FCP1のフォスファターゼ活性をなくしたドミナントネガティブ体(DN)のFCP1トランスジェニックマウス(DN-Tg)に対して、心臓超音波検査による心機能計測を行った。FCP1-Tgは、4-6週齢の若年では明らかな心機能障害・心拡大は示さなかったが、12週齢以降は有意に心機能低下・心拡大を示しており、その程度は週齢とともに増加した。一方、DN-Tgマウスには心機能障害が認められず、不全心機能の成立に、FCP1が何らかの機能を介して関与していることが示唆された。 Pol IIのリン酸化をウェスタンブロットにより検討してみると、対照群およびDN-Tgに比しFCP1-Tgにおいて有意にリン酸化は抑制されていた。心機能障害の機序を調べる手がかりとして、採取した心臓に対してアポトーシス関連タンパクの発現を検討した。対照群である野生型に対し、12週齢以降のFCP1-Tgにて、アポトーシス促進分子であるBaxの発現が増加しており、一方でアポトーシス抑制分子であるBcl2の発現は減少していた。また、アポトーシスが生じていることを示すCleaved Caspase3の発現は、FCP1-Tgにて増加していた。 以上よりFCP1は、Pol IIによるRNA合成を適切なレベルに制御しており、過剰発現によるPol IIの不活性化は心機能を低下させ、そこにアポトーシス亢進による心筋細胞の脱落が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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