2012 Fiscal Year Annual Research Report
肥大型及び拡張型心筋症の網羅的遺伝子解析によるテーラーメード治療の確立
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22590808
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤野 陽 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40361993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 研至 金沢大学, 大学病院, 助教 (00422642)
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 収縮不全 / 拡張型心筋症 / 遺伝子 / 遺伝学 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
本年度は、遺伝子解析にて変異を検出したサルコメア遺伝子変異保因者について、臨床病態の解明に取り組んだ。 67の独立した肥大型心筋症家系において、157名のサルコメア遺伝子変異保因者を検出できた(男性87名、平均年齢46.5±20.5歳)。157名中、心エコー図検査による経時的観察が可能であった107名について、心エコー図検査指標を経時的解析した。平均観察期間は7年で、107名中12名に観察期間中に左室駆出率が50%未満となる左室収縮不全が認められた。多変量解析の結果、収縮不全の出現は、加齢および観察開始時の左室駆出率低値と関連することが判明した(それぞれ、P<0.001とP=0.020)。また原因遺伝子としては、ミオシン結合蛋白C遺伝子(MYBPC3)変異を有する変異保因者では、左室収縮不全が認められにくいことが判明した(P=0.042)。この結果より、107名の対象をミオシン結合蛋白C遺伝子保因者(MYBPC3群)と非ミオシン結合蛋白C遺伝子保因者(non-MYBPC3群、すなわち心筋ベータミオシン重鎖遺伝子変異保因者、心筋トロポニンT遺伝子変異保因者、および心筋トロポニンI遺伝子変異保因者)とに分けて生存曲線を作成した。カプランマイヤー法での解析により、MYBPC3群ではnon-MYBPC3群と比較して左室収縮不全が認められにくいことが判明した(log-rank test、P=0.010)。左室収縮不全が認められた12名中、11名は平均8.3年の観察期間中に死亡した。 以上より、non-MYBPC3群のサルコメア遺伝子変異保因者は、MYBPC3群のサルコメア遺伝子変異保因者と比較して、より高頻度に左室収縮不全をきたすことが判明した。従って、non-MYBPC3群のサルコメア遺伝子変異保因者については特に、左室収縮不全の出現に注意して加療を続けるべきであると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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