2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工多能性幹細胞を用いた心筋分化メカニズムの解明および細胞移植療法への最適化
Project/Area Number |
22590813
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村田 光繁 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30317135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 伸司 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (20306707)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心筋再生 |
Research Abstract |
再生医療は人工多能性幹細胞(iPS細胞)の発見以降その臨床応用に向けて急速に研究が進められている。しかし、iPS細胞の分化効率や安全性の問題から細胞移植療法の実現には課題が残っている。特に循環器領域ではiPS由来心筋細胞の表現型解析も未だ不十分であり、移植源となる再生心筋の最適化の条件(純化・精製や分化後どの時期の細胞を用いるかなど)も不明である。そこで、本研究は、ヒトiPS由来心筋細胞の表現型を詳細に検討し、心筋サブタイプ毎の分化メカニズムを明らかにすることである。我々は、心筋細胞の脂肪酸代謝の特性を利用し、培養液のグルコース有無によりヒトiPS由来心筋細胞を精製できることを示した。これらの精製心筋を用いることでより正確にヒトiPS心筋細胞における遺伝子発現経時的変化を検討可能である。ヒトiPS細胞の心筋分化過程を、分化早期(誘導後30日以前)、中期(誘導後30~60日)、後期(誘導後60日以降)に分類し、各時期の胚様体(EB)から蛋白およびmRNAを抽出した。ヒトiPS精製心筋細胞の遺伝子発現は、培養とともにCa収縮蛋白や細胞骨格を構成する遺伝子発現が増加し、未成熟心筋で発現が多いHCN4やT型Caチャネル遺伝子などは低下した。活動電位波形や細胞内Caトランジエントは分化後2カ月経過すると分化直後より成熟心筋に近い波形を示した。以上の結果から、分化心筋細胞は培養とともに成熟し、その形態や機能が変化することが予想される。よって、再生医療への応用には、目的や方法によって使用する心筋細胞を選択する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)