2011 Fiscal Year Annual Research Report
障害血管リモデリングおよび血管外膜微小血管新生における神経再生因子の役割
Project/Area Number |
22590820
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
川辺 淳一 旭川医科大学, 医学部, 特任准教授 (10400087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 有史 旭川医科大学, 医学部, 特任講師 (90374793)
岡田 基 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80431427)
平 義樹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70199024)
|
Keywords | 血管新生 / 動脈硬化 / 神経再生 |
Research Abstract |
1.障害血管組織外膜血管新生における神経因子の効果 血管障害により成長した外膜栄養血管(Vasa Vasorum ; VV)は、化学的末梢交感神経系抑制により血管成熟化が抑制されることを確認し、また、いくつかの神経由来因子を添加することにより新生血管成熟化が促進されることを確認した。このことから、VVの成熟化に、末梢神経の存在が重要であることの状況証拠とその作用機序の一つとして末梢神経分泌神経因子の作用という可能性を示唆できる。今後、以下の2、3によって、詳細な血管成熟化の機序を解明することができる。 2.新生血管由来細胞株の機能解析実験 不老不死細胞化を容易にできる温度感受性SV40T抗原発現マウスを用いて、障害血管外膜に生じた新生血管組織から微小血管由来の内皮細胞および周細胞をMACS法にて分離し、それらの細胞株の樹立に成功した。それぞれのin vivoおよびin vitroでの細胞機能解析実験を終了し(投稿中)、3での新しいアッセィ法への応用につなげている。 3.新生血管成熟化評価法の確立 上記樹立した細胞群にレトロウイルスを利用し、GFPおよびDsRed蛍光物質発現細胞株と、GFP発現マウスから分離した大動脈組織とを混合培養した血管新生や血管成熟化を評価できるアッセイを用いて、神経由来因子の効果を評価している。現在、in vivoで観察された末梢神経再生による血管成熟化作用を担う、神経由来因子の同定をおこなっているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「血管新生に際して、血管周囲末梢神経の分布が、血管新生とくに成熟化に重要な役割をもつかどうか?」という仮説を証明するうえで重要な、周細胞もふくめたco-cultureによる血管成熟化を評価できるアッセイを開発したことにより、順調にプロジェクトが進行していると考えている。現在、申請年度内での学術論文投稿を目指している。
|
Strategy for Future Research Activity |
「再生した末梢神経がどのように血管成熟化をもたらすのか?」という機序解明にむけて、in vivoサンプルにおける再生神経線維の種類同定とともに、in vitroでの実験系の開発が必要不可欠である。上記11でのべた、血管成熟化アッセイとともに、末梢神経細胞とのco-cultureシステムで、上記課題を克服していきたいと考えている。 現在、末梢神経細胞の培養樹立にむけて、実験をしているところである。
|