2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞間接着を標的とした動脈硬化治療戦略開発のための基盤研究
Project/Area Number |
22590828
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
力武 良行 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50419488)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋細胞 / 血管石灰化 / シグナル伝達 / Necl-5 |
Research Abstract |
細胞接着分子ネクチンとその関連分子は細胞の接着、極性形成、運動、増殖、生存、分化などの高次機能を制御している。当該年度においては、動脈硬化の初期病変である内膜肥厚におけるネクチン様分子の一つであるNecl-5の役割について検討した。マウスにおいて頸動脈結紮後に形成される内膜肥厚を伴う血管では、Necl-5 mRNAの発現が増加しており、免疫染色では合成型に脱分化した内膜や中膜の血管平滑筋細胞においてNecl-5は強く染色された。Necl-5ノックアウトマウスでは内膜肥厚の形成が減弱しており、Necl-5ノックアウトマウスから初代培養した血管平滑筋細胞では運動と増殖が減弱していた。ところで、進行した動脈硬化病変部でしばしば見られる血管石灰化は血管平滑筋細胞の骨芽細胞様細胞への形質転換が原因と考えられている。BMPERという分子がこの形質転換に深く関わっていることも見出した。すなわち、BMPERは培養ヒト冠動脈平滑筋細胞から分泌され、平滑筋細胞に作用するとalphaSMAなどの平滑筋細胞の分化マーカーの発現は減少し、骨芽細胞マーカーである転写因子Runx2やアルカリホスファターゼの発現が増加した。その結果、カルシウム沈着が促進された。反対に、培養ヒト冠動脈平滑筋細胞においてBMPERをsiRNAによりノックダウンすると、alphaSMAなどの平滑筋細胞の分化マーカーの発現は増加し、骨芽細胞マーカーである転写因子Runx2やアルカリホスファターゼの発現が減少した。その結果、カルシウム沈着が抑制された。BMPERは形質転換を制御するNF-kappaBを活性化し、NF-kappaBを介するシグナル伝達により形質転換を促進していた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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