2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学と医工学を用いた大動脈瘤病態への新規アプローチ
Project/Area Number |
22590829
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉栖 正生 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20282626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 万里 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30359898)
辻 敏夫 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90179995)
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Keywords | 大動脈瘤 / 循環器病学 / 血管粘弾性 / 血管超音波 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
オステオプロテジェリン(OPG)ノックアウト・マウスを用いた大動脈瘤モデルに対して、スクリーニングとして種々の薬剤による介入を行った結果、瘤形成の抑制効果があるものとしてeicosapentaenoic acid (EPA)が見いだされた。食餌へのEPA添加により、中膜弾性線維の破壊が強く抑制され、石灰化も減少した。血管壁の破壊が抑制される機序として、メタロプロテアーゼ(MMP)を抑制するTIMP-1の発現上昇が関与している可能性が示唆された。野生型マウスで大動脈瘤形成時にOPGの発現が上昇することが、再現性を持って示され、OPGが障害を受けた血管で代償的に上昇している可能性が示唆された。 冠動脈において、血管内エコー(IVUS)による画像取得と時相を揃えて観血的血圧を記録し、力学的特性を解析した。その結果、動脈硬化による力学的特性、特に弾性の変化は血管壁全周で一様ではなく、特に石灰化の影響を受けることが示唆された。また力学的特性のなかで、粘性のしめる割合が冠動脈においては比較的低いことが示された。 血管の力学的特性を規定するファクターである血管内皮機能をこれまでよりも簡便かつ再現性よく測定できるシステムの開発に成功し、特許を出願した。大動脈瘤検査スクリーニング検査装置(実証タイプ)の開発を進めるなかで、脈波情報の収集と解析技術の向上が達成でき、特に背部から採取する生体脈波情報の取得が安定して行えるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子レベルから生体レベルまで、新しい所見が得られ、また機器開発および特許申請も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた多くの所見をまとめ、論文として発表していく。
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Research Products
(5 results)