2012 Fiscal Year Annual Research Report
小腸ホルモン、インクレチンを用いた糖尿病性大血管障害の治療戦略
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22590831
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
渡部 琢也 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30297014)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | インクレチン / DPP-4阻害剤 / 糖尿病 / 動脈硬化 / マクロファージの泡沫化 |
Research Abstract |
Dipeptidyl Peptidase-4 (DPP-4)阻害剤は、内因性インクレチン(GLP-1、GIP)を増加させることで血糖を降下させる新しい糖尿病治療薬である。ApoE欠損マウス(動脈硬化モデル)にストレプトゾトシンを腹腔内投与(膵臓β細胞を破壊)して糖尿病を発症させ、DPP-4阻害剤(Vildagliptin)を投与すると動脈硬化の進展が抑制されるかどうかを世界に先駆けて検討した。 ApoE欠損マウス45匹を5群に分け、17週齢から高脂肪食とともにVildagliptinの経口投与並びに他剤の浸透圧ポンプによる投与を4週間行なった。 ①生食(対照)、②Vildagliptin、③Vildagliptin+Pro3 (GIP受容体拮抗剤)、 ④Vildagliptin+Exendin-9 (GLP-1受容体拮抗剤)、⑤Vildagliptin+Pro3+Exendin-9 糖尿病発症ApoE欠損マウスは、糖尿病未発症ApoE欠損マウスに比べ、動脈硬化病変が更に+30%増加していた。糖尿病発症ApoE欠損マウスへのDPP-4阻害剤の経口投与は、血中のGLP-1およびGIPを有意に増加させ、動脈硬化病変および単球/マクロファージの浸潤を顕著に抑制させた。動脈硬化病変、単球/マクロファージの浸潤、酸化LDLによるマクロファージの泡沫化に対するDPP-4阻害剤の抑制作用は、GLP-1受容体拮抗剤またはGIP受容体拮抗剤の追加投与により一部キャンセルされ、GLP-1受容体拮抗剤およびGIP受容体拮抗剤の同時併用投与により完全にキャンセルされた。空腹時血糖、インスリン、脂質プロファイルには有意な変化を認めなかった。 DPP-4阻害剤のVildagliptinは、糖尿病発症ApoE欠損マウスにおいても動脈硬化を著明に抑制することが出来た。本内容の論文を国際誌に現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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