2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性閉塞性肺疾患発症に関わる危険因子の解明-前向きコホートによる包括的研究-
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22590834
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂本 透 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50282356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜澤 伸之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00301896)
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344882)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 喘息 / 慢性閉塞性肺疾患 / 遺伝子多型 / 前向き研究 |
Research Abstract |
喘息・COPDの発症には種々の外因性因子(アレルゲン、喫煙など)と内因性因子(年齢、性別、遺伝的素因など)の相互作用が関係している。これら因子の両疾患発症に与える影響を解析するため、1505名の人間ドック受診者を募り、性別、年齢、体重、喫煙歴、既往歴、総IgE値、抗原特異的IgE、肺機能検査などのデータを抽出した。さらに全血よりゲノムDNAを抽出し、約60万個の一塩基多型(SNP)についてゲノムワイドにタイピングを行った。その結果、種々の外因に対するセンサー分子であるTSLPが気流閉塞の重症度に関係していること、また酸化ストレスに対する防御系調節分子であるNrf2が1秒量の経年的減少に関連していることを明らかにした。 さらにこのコホートに対して喫煙状況、呼吸器症状の有無、喘息・COPDの新規発症などについて“前向き調査”を行っている。3年が経過した時点での集計では、研究参加時に呼吸器疾患が確認されなかった1318名の健常者から、喘息新規発症者が27名、COPD新規発症者が9名確認された。正常者群、喘息新規発症群、COPD新規発症群について研究参加時の種々因子について解析した結果、1秒率は正常者群83.3%に対してCOPD新規発症群で79.0%と有意に低下していた(p = 0.007)。また経年的な1秒量の減少は正常者群が24.0 ml/年に対して喘息新規発症群では49.8 ml/年と有意に増加していた(p = 0.020)。COPD新規発症群でも経年的1秒量減少は42.2ml/年と大きい傾向にあった。すなわち、中高年で発症する成人喘息では、喫煙やアトピーとは独立して、発症前から1秒量の急速な減少が存在することが明らかとなった。今後さらに10年間までの“前向き調査”を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)