2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590837
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 理 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60378073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 好規 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270986)
佐藤 光夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70467281)
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Keywords | TRP / STIM1 / Orai1 / メカニカルストレス / 気管支喘息 / 呼吸生理学 / 気道平滑筋 / 血管内皮 |
Research Abstract |
喘息、肺炎症性疾患の病態形成におけるTRPチャネルをはじめとするCa^<2+>チャネル、Ca^2シグナルの役割を検討した。 培養ヒト気道平滑筋細胞を用いた実験で、筋小胞体Ca^<2+.ストアのCa^<2+>含有量を感知する分子STIM1および、Ca^<2+>チャネル分子Orai1をこの細胞が発現していることを見出した。更に、STIM1およびOrai1に対するsiRNAを細胞に導入した実験で、両者が筋小胞体 Ca^<2+>ストアにより活性化されるCa^<2+>チャネルを介したCa^<2+>流入(ストア作動型 Ca^<2+>流入)を制御していることを見出した。更に、これらSTM1,Orai1分子が血小板由来成長因子(PDGF)刺激によって誘導される平滑筋細胞遊走能ならびに細胞増殖能を制御していることを見出した。このことから、気管支喘息の病態における気道リモデリングにSTIM1,Orai1が関与している可能性が推測された。 培養ヒト肺微小血管内皮細胞を用いた実験では、TRP-V2,V4,M7などのメカニカルストレスとの関連が報告されている複数のTRP遺伝子発現を確認した。繰り返しの細胞伸展(ストレッチ)刺激、低浸透圧、細胞骨格変化、ずり応力などのメカニカルストレスが細胞からのATP放出を亢進することを見出した。細胞外ATPは多様な作用を有するが、ARDSの肺炎症病態に関与する可能性も推測されており、TRPチャネルとATP放出の関連について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気道平滑筋細胞のカルシウムシグナルについての研究において、TRP遺伝子およびSTIM1/Orai1による制御機構の検討中である。STIM1の細胞遊走能の制御機構について見出し、現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きSTIM1/Orai1による気道平滑筋細胞機能の制御機構、特にサイトカイン産生、平滑筋収縮機構について検討する。 卵白アルブミン感作マウス喘息モデルにおける、肺および気道におけるTRP遺伝子、STIM1/Orai1遺伝子の発現変化を検討するとともに、喘息病態への関与について追及する。 更に、TRP遺伝子がその候補分子である気道平滑筋細胞、肺血管内皮細胞におけるメカニカルストレス感受性カルシウムチャネルの同定を行う。
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Research Products
(9 results)