2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590841
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福島 千鶴 長崎大学, 大学病院, 准教授 (50380978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松瀬 厚人 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60336154)
河野 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
河野 哲也 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (50457511)
土田 朋子 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (60581949)
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Keywords | 気管支喘息 / アスペルギルス / ダニ / 感作 / アレルギー性炎症 |
Research Abstract |
昨年度の実験で、ダニ抗原で感作し経鼻でダニ抗原刺激を行ったダニ喘息モデルマウスに経鼻でアスペルギルスの生菌を投与することによりアレルギー性炎症が増悪することを明らかにした。また、ダニ抗原で感作しダニ抗原刺激を行ったダニ感作マウスや、ダニ感作マウスにアスペルギルス生菌を経鼻投与したマウスと、アスペルギルス抗原で感作しアスペルギルス生菌を経鼻投与したアスペルギルス感作マウスとを比較したところ、アスペルギルス感作マウスではアレルギー性炎症が弱かったため、今年度は先ず、アスペルギルス抗原をいくつか変更してアスペルギルス感作マウスの実験を行ってみた。抗原としてアスペルギルス生菌より蛋白を抽出したものや市販のもの等いくつか試みたが、いずれもダニによる感作と比較するとアレルギー性炎症が少なかった。ステロイド(デキサメタゾン)による治療実験においては、ダニで感作しダニで刺激を行ったマウスと比較し、さらにアスペルギルスを経鼻投与したマウスはステロイドの効果が弱かった。臨床では、アトピー型気管支喘息の場合、多くはダニやハウスダストに感作されている。最近、重症喘息に真菌感作が関連しているという報告もあり、ダニと真菌の重複感作が気管支喘息の重症化やアレルギー性気管支肺真菌症のような特殊病態の発症に関わっている可能性があると考えられた。臨床における、気管支喘息患者やアレルギー性気管支肺真菌症患者のダニと真菌による感作状況を調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アスペルギルス抗原で感作しアスペルギルス生菌を経鼻投与したアスペルギルス感作マウスに様々な薬剤を投与する予定であったが、アスペルギルス感作マウスはダニ感作マウスと比較しアレルギー性炎症がかなり弱かった。このため、アスペルギルス抗原を様々に変更して試みる必要性が生じ、実験は予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ダニとアスペルギルスの重複感染でアレルギー性炎症が重症化することが実験上明らかになったため、喘息の重症化やアレルギー性気管支肺真菌症のような特殊病態と、ダニ・真菌感作め関係についても検討を加える予定である。
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