2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス誘発性喘息におけるオピオイド受容体―アレルギー性免疫応答軸の基礎的研究
Project/Area Number |
22590843
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大野 勲 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00250762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽良 一郎 東北大学, 医学研究科, 教授 (40322713)
菊地 利明 東北大学, 大学病院, 講師 (10280926)
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Keywords | アレルギー / 気管支喘息 / 精神的ストレス / μオピオイド受容体 / グルココルチコイド / Th2サイトカイン |
Research Abstract |
1. ストレス→[神経]μ受容体活性化→[内分泌]コルチコステロン遊離増加について ストレスとして、拘束ストレスと強制水泳ストレスを用いた。いずれのストレスにおいても、1回のストレス負荷による血中コルチコステロンの増加はμ受容体欠損マウスでは野生型に比べ低下した。一方、3日連続の拘束ストレスと引き続き4日間の強制水泳ストレスを負荷した場合、各ストレス負荷により血中コルチコステロンの増加が観察されたが、μ受容体欠損マウスにおいても各ストレス負荷で同程度の血中コルチコステロンの増加が観察された。ストレス負荷に対する視床下部-下垂体-副腎系の関与は、ストレスの負荷回数によっても異なることが示された。 2. ストレス→[神経]μ受容体活性化→抗原誘発性喘息気道反応の増悪について 上記の連続ストレスにより抗原誘発性気道炎症の悪化(気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞(好酸球、リンパ球)および肺組織中のTh2細胞の増加)とその背景となるTh2サイトカインの増加(洗浄液、肺組織)が観察された。μ受容体欠損マウスおよびμ受容体拮抗薬の投与(ストレス負荷時)マウスでは、ストレスによる悪化はみられなかった。 3. ストレス→コルチコステロン遊離増加→抗原誘発性喘息気道反応の増悪について 連続ストレスによる抗原誘発性気道炎症の悪化やTh2サイトカインの増加はコルチコステロン受容体拮抗薬およびコルチコステロン合成阻害薬により抑制された。 以上の結果より、連続ストレスによる抗原誘発性気道炎症の悪化には、ストレス負荷時のμ受容体とコルチコステロン遊離増加が関与することが示された。
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Research Products
(21 results)