2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス誘発性喘息におけるオピオイド受容体―アレルギー性免疫応答軸の基礎的研究
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22590843
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大野 勲 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00250762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽良 一郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40322713)
菊地 利明 東北大学, 大学病院, 准教授 (10280926)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アレルギー / 気管支喘息 / 精神的ストレス / μ-オピオイド受容体 / グルココルチコイド / Th2サイトカイン / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
ストレス負荷により喘息気道反応が悪化する喘息モデルマウスを用いて、① 野生型マウス(WT)で観察されたストレス負荷による喘息悪化は、μ-オピオイド受容体(MOR)欠損マウス(MORKO)では観察されなかったが、MORKOの中枢神経系にMORを選択的に発現させたマウス(MORTg)では再現できた(Allergol Int 2012)。② ストレス負荷による血中コルチコステロンの増加は、WTに比べMORKOでは減弱しMORTgでは同程度であった(Allergol Int 2012)。WTでストレス負荷時にグルココルチコイド受容体拮抗薬およびグルココルチコイド合成阻害薬を同時に投与すると、ストレス負荷による喘息悪化は抑制された(投稿中)。③ ストレス負荷あるいは非負荷のWTからの気管支リンパ節細胞を抗原とともに培養すると、負荷WTにてTh2サイトカイン発現が増強し、抑制性CD4+ T細胞(Treg)の誘導が低下していた。この負荷による影響はMORKOでは観察されなかった(Allergol Int 2012)ことを見出した。以上の結果より、ストレス負荷による喘息悪化は、中枢神経系MORの活性化(①)に引き続くコルチコステロンの遊離増加(②)と気道局所の抗原特異的Th2型免疫応答の増強によること(③)が明らかとなった。ストレスによるTh2型免疫応答増強の機序として、TregによるTh2型免疫応答抑制の低下が示唆された(③)。すなわち、ストレス誘発性喘息における神経―内分泌―免疫経路の存在を明らかにすることができた。 アレルギー性免疫応答におけるCD4+ T細胞の重要性は、気管支リンパ節細胞から分離したCD4+ T細胞と抗原提示細胞との共培養によるサイトカイン産生の実験(Int Arch Allergy Immunol 2012)より確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)