2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590849
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田邉 信宏 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (40292700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂尾 誠一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80431740)
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Keywords | 肺高血圧症 / 遺伝薬 / オーダーメード医療 / 右心機能 / 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺動脈性肺高血圧症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)や、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する薬剤の反応性と遺伝子多型の関連について、明らかにすることであるが、今年の研究計画は、(1)シルデナフィルの効果とGprotein β3遺伝子多型の関連について、症例を追加し、検討を加えること、(2)ボセンタンおよびシルデナフィル使用例について、各種多型と血行動態や予後との関連を明らかにすること、(3)これらの多型と右心機能との関連を明らかにすることであった。 (1)に関しては、症例を59例に増やし、臨床状態悪化までの期間が、勃起不全で治療反応良好とされるTT群(15例)が、CC(16例+CT(28例)群に比して、長く良好であること、6分間歩行距離の改善が良好な傾向であること(p=0.07)、治療後のNYHA分類が良好であること(p=0.028)が明らかとなった。一方、同様の検討をボセンタンとG protein β3遺伝子多型で行うと、関連がなかった。(2)に関しては、NOS3G894T多型、エンドセリン-1 Lys 198As(G/T)、エンドセリンA受容体H323H多型(C/T)とシルデナフィルやボセンタンとの効果の関連については、有意なものを認めなかった。一方、CTEPH内科治療例で検討すると、血中エンドセリン高値と関連するエンドセリン-1多型Gアレルを有し、エンドセリンA受容体多型TTをもつ群がそれ以外の群に比して、予後不良であることが、明らかとなった。今回の研究は、本年日本呼吸器学会シンポジウムで発表予定であり、さらに症例を集積し、検討する予定である。(3)右心機能と遺伝子多型との関連については、右房圧や右室拡張末期圧と相関がなかったが、さらにその評価法として、造影CTによる駆出率、中隔圧排の程度を曲率で評価する方法を開発し、今後症例を増やし検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究計画は、(1)シルデナフィルの効果とGproteinβ3遺伝子多型の関連について、症例を追加し、検討を加えること、さらに、(2)ボセンタンおよびシルデナフィル使用例について、NOS3G894T多型、エンドセリン1Lys198As、エンドセリンA受容体H323H多型と血行動態や予後との関連を明らかにすること、また、(3)これらの多型と右心機能との関連を明らかにすることであった。(1)の研究に関しては、症例を増やしても同様の傾向であること、(2)に関しては、有意なものを認めなかったが、エンドセリン-1とA受容体多型がCTEPHの予後因子であることが明らかとなった。(3)の研究に関しては、新しい右心機能評価法を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝薬理学的見地から、今回明らかとならなかったNO33(eNOS)に関しては、786T/C、922A/G、1468T/A等、他の多型と薬物の反応との関連について、検討する。エンドセリン-1、・A受容体多型に関しては、さらに症例を追加し、今回明らかになった予後因子に関する検討加えて、薬物に対する反応の影響について解析する。右心機能に関しては、ACE遺伝子(deletion/insertion)多型、βadernagicreceptor多型、NOS3の786T/C、922A/G、1468TIA多型との関連にてついて、右心カテーテルならびに造影CTによる右心機能評価法を用いて、検討する予定である。
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Research Products
(14 results)