2011 Fiscal Year Annual Research Report
LPSプライミング後LPS、BLM再投与肺損傷の病態解析
Project/Area Number |
22590854
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
津島 健司 信州大学, 医学部, 委嘱講師 (60372512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊樹 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (20467161)
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Keywords | 肺損傷 / LPSプライミング / サイトカイン産生 |
Research Abstract |
LPSプライミングを受けたマウスは、LPSによる気管内再投与刺激に対して、肺損傷からの回復が通常マウスに比べて早期に認められ、また、高濃度LPSに対して抵抗性を示すことが知られているが、その機序はいまだ不明である。われわれは炎症を惹起する肺胞マクロファージのsubtypeに着目してその機序を明らかにしようとした。 LPSプライミング群にLPS気管内再投与した所見で、マウス肺胞洗浄液のマクロファージはCD11b^<high>CD11c^<high>,CD11b^<low>CD11c^<high>,CD11b^<high>CD11c^<low>というsubtypeを示した。Naiveな状態ではCD11b^<low>CD11c^<high>が主なpopulationである。このように、LPSプライミング後にもマクロファージのsubtypeが異なっていた。また、LPS再投与によるBAL中好中球のアポトーシスはプライミングで亢進していた。ここの細胞が持つサイトカインを確認するとプライミング群はIL10の産生が亢進し、TNFαの産生低下を示した。この肺胞マクロファージをクロドロネイトによりLPS再投与前に肺内より消失させると、LPSによるプライミングの効果は消失し、肺損傷からの改善が遅れた。 IL10ノックアウトマウスを使用すると、やはりLPSプライミング現象は認められなかった。BAL中好中球のアポトーシスはプライミング群、非プライミング群で差を認めず、あるsubtype群の肺胞マクロファージからIL10が産生亢進され、IL10産生肺胞マクロファージが肺損傷の収束に関与している可能性が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験前に想定していた結果とは異なる結果となっているため、その評価を行い、追試実験を試みている。その結果により、方針を転換しなくてはいけない。
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Strategy for Future Research Activity |
追試実験結果によって、実験の方法論を変更して、当初予定している結果の方向へ進む。それが不可能となった時点で、肺胞マクロファージだけではない、そのほかの気道上皮などの関与につき検討していく。
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