2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管新生関連遺伝子発現に基づく肺癌リンパ節転移の機序解明と診断、治療法の開発
Project/Area Number |
22590857
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今泉 和良 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50362257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光夫 名古屋大学, 医学系研究科, COE特任助教 (70467281)
橋本 直純 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30378020)
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Keywords | 内科 / 呼吸器内科 / 肺癌 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
肺およびリンパ節内のリンパ管新生関連遺伝子群の発現を解析し、肺癌リンパ節転移におけるリンパ管新生の関与を明らかにする目的でLYVE-1、Proxl、podoplanin, 5'-nucleotidase,VEGFR-2/Flk-1,VGFR-3(Flt-4),Nrp2,Tie2,EGFRおよびsoluble VEGFR-2(sVEGFR-2)の各遺伝子群の発現をreaL-time RT-PCR法を用いての解析を開始した。まず、通常のRT-PCR法によって各遺伝子のcDNAの一部をクローニングした。これを既知の濃度に調整したものをコントロールとして用いて、今回作成したprimerおよびprobeによるreal-time RT-PCRの精度を確認した。今回の研究では、ヒト症例においてリンパ節あるいは肺組織を用いてリンパ管新生遺伝子群発現の解析を行うので、最初に実際の臨床検体から、遺伝子群の発現解析が可能かどうかを確認した。具体的には、間質性肺炎を伴う肺癌手術症例において、肺組織からRNAを抽出し、リンパ球、免疫担当細胞の遊走、機能に密接に関与する遺伝子の発現解析をreal-time PCR法で解析した。その結果、間質性肺炎では組織型(UIP、NSIP)によって、ケモカイン(MDC、MIG)およびIL-17遺伝子の発現が異なっており、二つの組織型における免疫細胞の働きが大きくことなることを強く示唆する結果を得た。これと同様の方法を用いてリンパ管新生関連遺伝子の関与の肺組織における発現解析を進める予定である。また、リンパ節組織における遺伝子発現の解析については、当施設で平成22年に行われた気管支鏡下リンパ節穿刺生検(EBUS-TBNA)(肺癌リンパ節症例が約40例)で採取された針生検サンプルについても検討を開始している。
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