2010 Fiscal Year Annual Research Report
血中分子シグネチャ解析法の開発と難治性呼吸器腫瘍診断への応用
Project/Area Number |
22590858
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳澤 聖 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (20372112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 千夏 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (00534843)
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Keywords | 非閉塞性肺疾患 / 肺癌 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究では、1000種類にも及ぶ目的タンパク質の個々の発現情報を、精密且つハイスループットに同時解析可能なポテンシャルを持つMultiple Reaction Monitoring(MRM)技術を基盤とした先進的プロテオミクス技術を、バイオインフォマティクス解析手法とともに統合的に応用することにより、革新的に高精度な分子診断システムの開発による超早期発見及び治療の個別化を実現し、この10年間に大きな生存率の向上をみていない難治性固形がんの治療成績を大きく改善することを目的とする。本年度は、肺癌マーカー候補タンパク質の網羅的発現情報の取得を進め、一度の試料調整により約3000-5000種類のタンパク質に関して比較定量が可能なシステムの確立を完了した。すでに肺癌及び正常肺組織の新鮮凍結組織から抽出したタンパク質を解析試料とした網羅的タンパク質発現プロファイリングを開始しており、約3000種類のタンパク質の発現情報を取得し、癌と正常組織間に平均+2SD以上の大きな発現差を認める50種類のマーカー候補タンパク質の存在を確認している。さらに、血液中マーカータンパク質の精密定量解析の条件を最適化する目的で、組織中のタンパク質発現情報を基にして、発現量の異なる(高・中等度)タンパク質を対象に、三連四重極型MS装置を用いたMRM解析に必要なチャンネル設定を進め、iTRAQ標識を加えることによる検出感度向上が確認され、結果的に定量精度の向上にもつながることが明らかとなった。現在は、血液中マーカー候補タンパク質の特定を進行中である。
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Research Products
(5 results)