2012 Fiscal Year Annual Research Report
血中分子シグネチャ解析法の開発と難治性呼吸器腫瘍診断への応用
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22590858
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳澤 聖 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20372112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 千夏 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00534843)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / プロテオーム |
Research Abstract |
前年度までに、悪性胸膜中皮腫組織試料対象とし、質量分子装置を応用した網羅的なタンパク質発現解析を進めた結果、疾患・正常組織中に存在する621種類のタンパク質に関して発現プロファイル情報を取得することに成功している。 これらの情報を基盤として、疾患組織中において発現増強を認める診断マーカー候補分子の探索を進めるため、候補分子全てに対する精密定量測定法であるMRM解析系を構築して、中皮腫症例と対照疾患症例由来の血液試料を用いて検討を行ったところ、中皮腫症例由来の血液試料でのみその存在が確認される分子を発見するに至った。 このことから、当該分子の診断マーカーとしての有用性が非常に高いものであると考えて、実地臨床に広く還元可能な特異的高感度解析法であるELISA系の作製を進めた。構築したプロトタイプの解析系を用いて悪性胸膜中皮腫21例、肺癌116例、非癌呼吸器疾患56例由来の血清試料を対象とした検証実験を進めた結果、悪性胸膜中皮腫の診断感度81.0%、特異度92.6%と、高い診断有用性が示唆される結果を得た。さらに、他臓器由来の腫瘍性疾患(大腸癌、胃癌、膵臓癌、肝臓癌など)症例由来の血液試料を加えて検証をすすめた結果、感度・特異度ともに90%以上と良好な精度が得られたことなど、新規中皮腫診断法の開発につながる成果を得る事に成功した。 当該分子関しては、期間中に特許の出願を1件完了している。 並行して、予後情報などの臨床情報が完備した肺癌組織試料(腺癌111例、扁平上皮癌40例、大細胞癌20例、腺扁平上皮癌8例)について、組織試料の酵素消化とペプチド標識に引き続く質量分析装置による定量的かつ網羅的なタンパク発現解析を遂行し、それぞれの患者の肺癌腫瘍組織が示す蛋白発現プロファイルデータの採取を完了し、肺非小細胞癌の術後予後の予測を可能とする診断法開発の基盤構築を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)