2011 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAによる気道リモデリング制御方法の検討及び創薬の可能性の検討
Project/Area Number |
22590859
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小林 哲 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20437114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GABAZZA Esteban 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293770)
田口 修 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90197244)
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Keywords | 肺線維症 / siRNA / RNAi / TGF-β / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
本研究の概要は、現在のところ画期的な治療法が存在しないような難治性の呼吸器疾患に対して、その責任遺伝子、蛋白に対してRNAi機構を用いて、その病態を制御しようとするものである。しかしながら現在のところ、そのキーポイントとなるsiRNA製作に関しては欧米に特許を押さえられている現状があり、我が国においてのsiRNA創薬が進んでいない原因となっている。今回、我々はRNAの一部を改変することによってこれらの特許を回避し、日本独自の創薬を目指すものである。マウスにおいてブレオマイシンによる肺線維症モデルを作成し、経気道的に責任分子に対する各種siRNAを投与、線維化を抑制できたsiRNA targetの内、特にTGF-βに焦点をあて研究を進めた。経気道的にTGF-βに対するsiRNAをブレオマイシン肺線維症マウスに投与し、その線維化抑制効果を組織学的に確認した。その上で、さらにヒトへの応用を目指し、ヒトTGF-βをマウス肺に発現させたトランスジェニックマウスの作成に成功し、結果として、このモデルは世界で唯一の自然発症肺線維症モデルとなった。このモデルを用い、ヒトTGF-βに対するsiRNAを投与したところ、肺の線維化を抑制することに成功した。さらに酸素化能の改善、CT画像上の改善、さらには生存率の上昇に寄与する事を証明した。これらの成果は米国呼吸器学会雑誌にアクセプトされた。今後、さらに治療薬開発のために実験を続行していく予定であり、日本オリジナルの創薬となるように、投与するRNAに関しても、今までとは異なった構造のRNAの作成を続行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺線維症に対する創薬のプロジェクトであるが、ブレオマイシンマウスモデルでもsiRNAによる抑制効果が確認でき、さらにヒト化肺線維モデルの作成にも世界で初めて成功したため、ヒトへの臨床応用の前段階としての検証ができ易くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
肺線維症に対する創薬のプロジェクトであるが、ヒト化肺線維モデルの作成にも世界で初めて成功したため、ヒトへの臨床応用の前段階としての検証ができ易くなった。今後、本邦オリジナルのsiRNAを開発し、さらに導入方法もmodifyし、siRNAの導入効率、副作用の検討を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)