2010 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器疾患の胸部CT画像による定量的網羅的評価システムの開発と病態解明への応用
Project/Area Number |
22590861
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 豊博 京都大学, 医学研究科, 講師 (20359805)
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Keywords | 解析・評価 / 画像解析 / シミュレーション / 胸部CT / 呼吸器疾患 |
Research Abstract |
呼吸器科の臨床において胸部CT(Computed Tomography)による画像診断は、不可欠なものとなっているが、CT画像のもつ膨大な情報を充分に活かしきれていないのが現状である。本研究は、胸部CT画像を用いて、呼吸器疾患における肺病変だけでなく肺外構造を定量的に評価することで疾患特異的な定量的指標を見い出し、症状や生理学的、生化学的な他の臨床指標との関係や臨床経過との関係、全身臓器への影響を明らかにし、さらにモデルシミュレーションを施行することによって形態学からみた疾患の進展様式および病態を解明することを目的としている。研究初年度である平成22年度では.解析対象となる疾患症例の臨床データおよび画像データの収集・整理を進めると同時に、画像解析ソフトの開発を行った。まず、気道病変の3次元的解析ソフトを開発し、COPD症例および気管支喘息症例に対して応用した。異なる気道部位の気道dimensionを測定して、臨床データとの対比を行い、両疾患とも気道病変の進行においては気管支部位によるheterogeneityに乏しいことを明らかにした。次に、肺野病変に関する画像解析研究については、COPD急性増悪による気腫病変の変化に関して、CT画像を用いた肺野病変の定量的解析を行うとともに、モデルシミュレーションを適用することにより、増悪による肺野低吸収領域の増加が、単なる過膨張の増加によるものではなく、肺胞壁破壊を伴う気腫病変の進行によるものであることを示唆する結果を得た。このようにCT画像解析を通して、形態学からみた呼吸器疾患の病態解明に貢献できる成果を得ることができた。
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Research Products
(2 results)