2010 Fiscal Year Annual Research Report
非喫煙者肺がんにおける発癌分子機構の解明とその制御
Project/Area Number |
22590874
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
岡野 哲也 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00339376)
|
Keywords | マイクロRNA / 非喫煙者肺がん / プロテオーム |
Research Abstract |
本研究では、非喫煙者肺がん発生におけるmiRNAの果たす役割を解明するため、非喫煙者肺がんのmiRNAの発現プロファイル解析で、特に発癌との関連が示唆される因子についてin vitroで機能解析を行い、非喫煙者肺がんに頻度が多いとされているEGFR遺伝子変異が果たすmiRNAの発現制御機構を明らかにすることを目的とする。今年度は、非喫煙者肺がん症例で特異的なmiRNAの発現変化を示したmiR-138の標的遺伝子候補をデータベース(TargetScan, Microcosm, PicTar-Vert)から選択し、検討を行った。それらの結果から肺がんを含む様々ながん種の発癌・腫瘍増殖に関与しているhuman telomerase reverse transcriptase gene(hTERT)がターゲット遺伝子候補としてあげられた。miR-138の発現調節を行った機能解析では、miR-138の発現をoverexpressionすることでhTERT遺伝子の発現を負に調整し、siRNAを用いたKnockdownではhTERT遺伝子発現が亢進することを見出した。また、miR-138の局在部位は3p21.33であり、同部位は、肺がんで多くの遺伝子異常の報告があることによりPrecursor miR-138のmutation解析を行ったが、異常は認められなかった。我々の研究でEGFRのリガンドであるEGFによってmiR-21の発現が亢進され、さらにEGFR-TKI(AG1478)暴露でその発現を抑制することが示された。今後は、EGFRシグナルとの調整機構を解明するために下流のシグナル因子(Akt, STAT3, C-Junなど)との関連を解析する。
|