2012 Fiscal Year Annual Research Report
近位尿細管S3セグメント遠位領域の前駆様細胞の存在・分裂様式と多剤耐性形質の検討
Project/Area Number |
22590884
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤垣 嘉秀 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20283351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 日出夫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60432209)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再生 / 急性腎不全 / 近位尿細管 / 細胞分裂 / 多剤耐性 |
Research Abstract |
酢酸ウラニウム(UA)誘発ラット急性腎不全モデルにおいて、S3セグメント遠位領域に存在する初期再生細胞群(標的細胞)が前駆様細胞である可能性を不等分裂および多剤耐性形質を有するかの観点から検討した。 ラットにUA(1mg/kg、0.2mg/kg或いはvehicle)を静注し、初期再生細胞出現時に分裂期での細胞回転停止目的にvincristineを投与し、またS期標識にbromodeoxyuridin(BrdU)を投与し屠殺した。正常およびUA0.2mg/kg投与ラットでは、BrdU陽性核の不等分裂像は認めなかった。UA1mg/kg投与ラットでは、有糸分裂像と不等分裂を疑う像が散見された。エポキシ樹脂包埋による標的細胞の光顕三次元構築でも不等分裂が示唆され、単一ネフロン内に認める場合もあった。また、標的細胞は傍尿細管毛細血管に隣接したが、電顕観察では特異な超微構造を認めなかった。近位尿細管S1+S2障害を惹起するゲンタマイシンモデルでは、BrdU陽性初期再生細胞の出現部位はS1+S2領域内に限局した。 BrdU陽性細胞(標的細胞)とBrdU陰性細胞における多剤耐性形質をUAモデル作成後、BrdUを投与し近位尿細管細胞を単離しFACSにて分け検討した。ABC transporterであるMDR1(Abcb1)、 MRP2 (Abcc2)、 BCRP (Abcg2)の蛋白発現は両者で差を認めなかった。また、細胞障害を惹起するUAあるいは5-fluorouracilを添加し培養後の細胞生存をMTS assayで評価した検討では、BrdU陽性細胞で生存率が高かった。 S3セグメント遠位領域に存在する標的細胞は、不等分裂する可能性がありS3セグメントの修復を担う。特異的な多剤耐性形質は認めなかったが、UAおよび5-fluorouracil耐性が示され特異な細胞群であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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