2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590897
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 浩一 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60233342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勉 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30406475)
|
Keywords | 腎線維化 / 線維芽細胞 / 尿細管上皮細胞 / ポドサイト / 老化 / NFkBシグナル / 糸球体硬化 |
Research Abstract |
高齢化社会を迎えつつあるわが国では、透析導入となる末期腎不全の原因疾患にも大きな変化が現れており、いわゆる慢性糸球体腎炎が減少する一方、加齢性変化を基礎とする腎硬化症(細小動脈硬化、糸球体硬化、腎線維化)~萎縮腎が増加している。また近年、老化の分子メカニズムが徐々に明らかにされ、抗老化遺伝子であるSIRTファミリーの機能発現に、細胞内情報伝達系~転写因子であるNFkB経路の抑制が関連することが報告されている。老化腎ではNFkB経路が活性化されており、本研究では遺伝子改変動物を用いて腎組織特異的にIkBdN(安定化IkBα)を発現させてNFkBを持続的に抑制することで、NFkB経路の腎老化における関与を検討する。 本研究の第2年度にあたる本年は、昨年より引き続いて組織特異的にNFkBが抑制される遺伝子改変マウス(gGT.Cre;IkBdNマウス(尿細管上皮細胞特異的)およびNeph.Cre;IkBdNマウス(糸球体上皮細胞特異的))とIkBdNコントロールマウスを得るために交配と作出を進めた。検討を予定し作出を進めていたFSP1.Cre;IkBdNマウス(線維芽細胞特異的)マウスでは、3~4カ月齢より皮膚病変が多発し、皮膚線維芽細胞におけるNFkB経路抑制の結果と考えられ、今回の検討対象からは除外することとした。現在までにgGT.Cre;IkBdNマウス(オス40匹)、Neph.Cre;IkBdNマウス(オス27匹)およびIkBdNコントロールマウス(オス47匹)を観察用にエントリーした。各群より3ヵ月齢のマウスを5匹抽出し、短期コントロール用マウスとしてサンプル(血清、腎・心・肝のPFA固定組織、凍結組織およびRNA)を採取した。また腎の低酸素状態を評価するために、一部のマウスにはピモニダゾールを投与後にサンプルを採取した。本研究の期間中、交配とケージ管理および検体サンプリングは岡田と井上が、尾サンプルからのDNA抽出とPCR genotypingは船橋(実験助手)が担当した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Neph.CreマウスのSJLマウスへの戻し交配に当初の予定より時間を要したため、Neph.Cre;IkBdNマウス群のエントリーが他の群に遅れており、より若年マウスが多い。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度中にIkBdNコントロールマウス群、gGT.Cre;IkBdNマウス群およびNeph.Cre;IkBdNマウス群における腎老化に対する組織特異的NFkB阻害作用を評価するために、5匹/群以上のサンプル数をそろえるとすると、20カ月齢での検討となる。まずはこの月齢での腎老化に対するNFkB経路の関与を検討する。もし有意な関与が認められなかった場合には、各群の残りのマウスを延長して継続観察とし、24~30か月齢での評価とする予定である。
|
Research Products
(1 results)