2012 Fiscal Year Annual Research Report
幼若期高脂肪食負荷の高血圧・腎障害メカニズムの検討
Project/Area Number |
22590908
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安東 克之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60184313)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高血圧 / 肥満 / 幼若期 / 腎障害 / 食塩 |
Research Abstract |
われわれは幼若期からの食餌性要因が不可逆的な腎障害を惹起・重篤化して、成人期の高血圧につながる可能性をテーマに検討を行っている。すでに、幼若期食塩過剰摂取がミネラルコルチコイド受容体(MR)刺激状態を介して不可逆的な腎障害を惹起し、永続的な高血圧を引き起こすことを示唆する所見をえている。今回は幼若期の肥満について検討した。しかし、高脂肪食負荷モデルラットや高脂肪食負荷Zucker肥満ラットにおいては高脂肪食開始週齢による高血圧・腎障害進展の差異を認めなかった。そこで、発想を転換し、幼若期から肥満を伴い、高血圧を発症し、腎障害等が顕著であるモデル動物に対して、食餌制限などの処置を行いその影響をみることとした。モデルとして選んだのはDahl食塩感受性ラットとZucker肥満ラットをかけ合わせて作成されたDahlS.Z-Leprfa(DS/fa)ラットである。DS/faラットは過食があり、通常の食事でも肥満・高血圧・腎障害などを幼若期から呈する。このDS/faラットにおいては肥満のみでなくNa貯留も存在する。そこで、幼若DS/faラットにおいて食餌制限、低塩食、食餌制限+低塩食を行ったが、いずれも高血圧・腎障害進展を改善した。この成績から、肥満はそれのみでは高血圧・腎障害進展に関わる強力な因子ではないかもしれないが、食塩貯留と相乗的にはたらくと高血圧・腎障害進展の大きな原因となることが示唆された。抗アルドステロン薬もDS/faラットにおける高血圧・腎障害進展を改善したことから、この機序にもMR刺激状態が関与していることが考えられた。このことから、文明化社会におけるヒトにおける肥満の悪影響は食塩摂取量が多いという事実が重要である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)