2010 Fiscal Year Annual Research Report
Klotho蛋白による腹膜機能保護作用のメカニズム解析
Project/Area Number |
22590920
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30187124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70449891)
藤本 壮八 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00319948)
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Keywords | 腹膜線維化 / WNTシグナル / klotho蛋白 |
Research Abstract |
腹膜機能低下(特に線維化進行)機序に対する我々の仮説「Klotho蛋白は腹膜線維化過程において,Wnt-signal系抑制により上皮-間葉転換(epithelial-to-mesenchymal transition ; EMT)を抑制し,次いで線維化抑制に働き腹膜機能保護作用を発揮する」を証明することを研究目的とする。そのため本研究計画は大きく以下の2つである。(1)腹膜線維化にWntシグナル活性化が関与していることを明らかにし,(2)Klotho蛋白がWntシグナル活性の抑制により腹膜の線維化抑制を証明することである。 本年度は主に腹膜線維化にWntシグナル活性化が関与していることの証明に着手している。腹膜線維化モデルに機械的擦過刺激による作成を採用した。まずはマウスの腹膜線維化モデルを作成の確立を行うためC57BL/6にマウスの壁側腹膜をガーゼにて50回擦り作成した。2週間後に屠殺し,腹膜組織を採取した。腹膜組織の肥厚線維化と,手技的な個体間の差が少ないことを確認した。しかし腹膜の線維化は軽度であったため,ICRマウスでの作成を現在検討している。次に腹膜線維化時のWntシグナル活性の部位,強度を特定するために,beta cateninの結合配列下にbeta-galactosidase遺伝子を配置したBAT-LacZマウスを用い検討している。本マウスのBackgroundはC57BL/6マウスであるが,準備実験時に壁側腹膜に機械的擦過を加えても十分な腹膜線維化が観察されなかった。そのため,C57BL/6マウスより腹膜線維化モデルの作成が容易であるICRマウスへの戻し交配を行っている。
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