2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 篤史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50431507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 敦子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00535239)
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Keywords | プリオン病 / 脳神経疾患 / 蛋白質 / 脳・神経 / ウイルス |
Research Abstract |
プリオン感染防止策を考える上で、末梢からのブリオンの神経侵入経路の解明は大きな課題として残されている。リンパ濾胞の濾胞樹状細胞に集められたプリオンがどうやって末梢神経に侵入するのかを解明することが本研究の目的であった。今回われわれはエピトープ・タグで標識された異常型プリオン蛋白を接種材料にして、末梢感染から神経侵入までのプリオンの動態を免疫組織化学・免疫電顕法により経時的に追跡することを目指した。標識にはプリオン蛋白の異常化に影響を与えることがなく、なおかつ抗体の親和性も高い3F4抗体のエピトープ・タグを用いた。このエピトープ・タグはマウスプリオン蛋白の2ヵ所のアミノ酸をヒトプリオン蛋白の配列に置換するだけで形成される(L108M,V111M)。さらに、3F4抗体での検出系がうまく働かない場合にそなえ、T41抗体のエピトープ・タグ(V214I,Q218E)も用意した。われわれはまず、3F4エピトープ・タグあるいはT41エピトープ・タグを導入したマウスプリオン蛋白を発現するノックインマウスを作製し、これらのノックインマウスにスクレイピープリオンを感染させた際に脳内に蓄積する標識異常型プリオン蛋白が本研究の接種材料として利用できるかを検討した。3F4抗体を用いた免疫組織化学的検索ではオートクレープによる抗原賦活化処理をおこなえば標識異常型プリオン蛋白を検出できることが明らかになった。T41抗体についても同様の条件検討をおこなったところ、やはりオートクレープ処理をおこなった場合のみ異常型プリオン蛋白の検出が可能であった。これらの結果から、エピトープ・タグ標識異常型プリオン蛋白追跡のためにはオートクレープによる抗原賦活化処理が必須であることが明らかになった。しかし、オートクレーブ処理は当初の予定に含まれていた免疫電顕法には適さず、別の手段を講じる必要があることが示唆された。 なお本研究課題は平成22年12月15日、研究代表者の休職にともない補助事業の廃止を申請した。
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Research Products
(3 results)