2010 Fiscal Year Annual Research Report
SLC19A3変異マウスを用いたウエルニッケ様脳症の病態解析
Project/Area Number |
22590927
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
河野 智 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40397386)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 万幾子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (60549278)
宮嶋 裕明 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90221613)
|
Keywords | ウエルニッケ様脳症 / SLC19A3遺伝子 / ビタミンB1 / チアミントランスポーター |
Research Abstract |
本研究は、2009年に世界に先駆けて論文報告したウエルニッケ様脳症の病態解明を目的するためにものである。この疾患は、ウエルニッケ脳症と極めて類似する臨床症状とMRI画像所見をもち、チアミントラスポーター2をコードするSLC19A3遺伝子変異による遺伝性のビタミンB1代謝異常による神経疾患である。研究方法は、SLC19A3遺伝子変異をもつトランスジェニックマウスを作製し、in vivoでのPETによる脳機能画像解析や行動科学による評価、in vitroでの初代培養神経細胞を用い細胞レベルでのチアミン代謝関連蛋白とチアミントラスポーターとの相互作用を解明することを目的としている。平成22年度は遺伝子改変マウスの作製準備のためのターゲツティングベクターの構築およびマウス作製後の病態解析方法の検討をおこなった。遺伝子改変マウス作製後のFDG-PETを用いグルコース代謝に関する脳機能画像解析を行うための解析条件を検討するため、本疾患同様な遺伝性ライソソーム代謝異常による神経疾患であるGBA遺伝子変異をもっパーキンソン病症例を対象にFDG-PETを施行しその結果を論文報告した。また、遺伝子改変マウスの初代培養神経細胞を用い変異SLCI9A3蛋白と他のビタミンB1関連蛋白との相互作用の機能解析の条件を検討するため、本疾患同様の遺伝性鉄代謝異常による神経疾患である無セルロプラスミン血症の培養細胞モデルを作製し、セルロプラスミン関連鉄代謝蛋白と変異セルロプラスミンとの相互作用につき検討しその結果を論文報告した。
|