2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性脳低還流状態における内皮細胞・血液脳関門障害の病態解明
Project/Area Number |
22590929
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
矢田 健一郎 三重大学, 大学院・医学系研究科, 産学官連携研究員 (40467361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨本 秀和 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80324648)
|
Keywords | 慢性脳低灌流 / 二光子レーザー顕微鏡 / 白血球 / Rolling / Adhesion / 血液脳関門 |
Research Abstract |
本研究は、慢性脳低灌流状態における血液脳関門の障害の様子を二光子顕微鏡を用いてreal timeに観察を行いその病態解明を行うことを目的とする研究である。 本年度は、慢性脳低灌流マウスモデルの作成し二光子顕微鏡を用いてin vivoでreal timeに評価を行った。Green Mouseを用いて、両側総頚動脈に外側から、コイルを装着させ、慢性脳低灌流状態を作成した。狭窄直後、狭窄後3日目、狭窄後1週間で観察を行った。Green mouseでは、白血球と血小板は蛍光陽性の血球として観察可能、静脈内にTexRed labeling Dextranを投与することにより赤血球を蛍光陰性の血球として確認可能であった。この赤血球の動きからVelocityを測定、またDextranの血管外漏出の程度から血液脳関門障害を評価した。 両側総頚動脈にコイルを装着させ、狭窄させることにより、末梢の中大脳動脈領域のvelocityは約50%程度まで低下した。また、Velocity低下に伴い、白血球のrollingとadhesionが認められた。このrollingとadhesionは、動脈系の血管壁よりも、むしろ細静脈系の血管壁で多数認められた。また、このrollingとadhesionは、慢性脳低灌流状態では、1週間を経過した時点でも遷延性に認められた。dextranの血管外漏出に関しても、狭窄後3日から1週間を経過した時点でより著明であった。本年度の研究においては、慢性脳低灌流状態では、おもに静脈系に遷延性に異常を来たすことを確認した。
|
Research Products
(1 results)