2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規PETによる多発性硬化症およびNMOのアストロサイト機能評価
Project/Area Number |
22590931
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中辻 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20332744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 允 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10573222)
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Keywords | 多発性硬化症 / NMO / アストロサイト / PET |
Research Abstract |
多発性硬化症(MS)は、これまで中枢神経内のオリゴデンドロサイトを抗原特異的T細胞が障害する自己免疫性脱髄疾患と考えられてきたが近年、より多様な病態をもった症候群であと考えられつつある。特に抗アクアポリン4(AQP4)抗体の発見以降、NMOはMSとは異なると考えられ、脳脊髄病変の解析より、NMOはアストロサイト障害を主体とした病態と考えられるようになった。申請者は、これまで抗AQP4抗体が補体依存性にアストロサイト細胞死を誘導することや、また抗AQP4抗体をラットに移入することで、その病原性を動物モデルにて示してきた。NMOにおけるアストロサイト障害の重要性が認識されるとともに、MSにおいてもアストロサイトの形態異常が認められることが報告され、病態への関与が注目されつつある。 本研究ではアストロサイト特異的トレーサー(^<11>C-酢酸)を利用し、positron emission tomography(PET)にてMSおよびNMO患者におけるアストロサイトの機能障害を生体内にて画像化することを目的とした。 当院の臨床研究倫理審査委員会の承認の下、これまでの約1年間にMS患者さん5名、NMO患者さん1名の同意と協力をいただき酢酸PET/MRIの検査を遂行できた。この結果の解析はさらに症例を積み重ねながら行ってゆく予定であるが、これまでMS/NMOにおけるアストロサイトの代謝能評価の報告は無く、まったく新しい機能評価・診断応用が可能となることが期待される。また超分解能小動物用PET/MRIを利用した動物モデルでの解析は動物用サイクロトロンの設置に時間がかったが、H23年度には研究開始できる予定である。
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