2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590936
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大八木 保政 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30301336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄 信孝 九州大学, 大学病院, 助教 (80423523)
本村 今日子 九州大学, 大学院・医学研究院, 技術職員 (20380644)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / アポモルフィン / アミロイドβ / リン酸化タウ蛋白 / 酸化ストレス / モリス水迷路 / p53 |
Research Abstract |
【3xTg-AD脳におけるAβオリゴマー蓄積機構の解析】 アルツハイマー病(AD)モデルマウスである3xTg-ADマウスにおいて、2ヶ月齢で神経細胞内に毒性ターンを有するAβダイマーが、5ヶ月齢で可溶性Aβモノマーが、7ヶ月齢でAβオリゴマーが蓄積していた。3xTg-ADマウスは2ヶ月齢では記憶力低下が見られないため、発症以前より既にAβダイマーが蓄積していることは、この現象が最初期の分子病態である可能性を示唆している。細胞内輸送系にかかわるRab4やRab6蛋白は7ヶ月齢脳で蓄積が見られ、細胞内蛋白輸送系障害はAβオリゴマーの蓄積に関連している可能性が考えられた。現在、毒性ターン構造Aβダイマー蓄積に対するAPO治療の効果を検討中である。 【他のドパミンアゴニストと比較したAPO治療の効果の検討】 6ヶ月齢の3xTg-ADに対するAPO治療では、モリス水迷路解析の記憶力とAD病理の改善が認められた。同様の実験系で、別のドパミンアゴニストであるプラミペキソール(1mg/kg)を投与したところ、記憶力、病理のどちらにおいても特に効果を認めなかった。従って、APOの治療効果は単なるドパミン受容体刺激作用を介するものではないことが推察された。 【初代培養ニューロンと変異PS1細胞におけるAPO作用とドパミンの関与】 若年性家族性ADの原因変異であるI143T/G384A変異プレセニリン1(PS1)トランスフェクト細胞ではp53蛋白レベルの上昇が見られるが、10μM APO処理することでp53レベルの低下が見られた。また、APOの抗アポトーシス作用は、ドパミンD1、D2、D3、D4受容体の選択的アンタゴニストでは抑制されなかった。従って、APOはp53依存性アポトーシスを抑制する作用があり、それにはドパミン受容体刺激経路とは別の細胞内シグナル経路が示唆された。
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Research Products
(3 results)