2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590936
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大八木 保政 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30301336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 今日子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術職員 (20380644)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / アポモルフィン / アミロイドβ / インスリン抵抗性 / インスリン分解酵素 / 毒性ターン / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)モデルの3xTg-ADマウスでは4ヶ月齢より記憶障害を呈するが、2ヶ月齢で既に神経細胞内に毒性ターン構造アミロイドβ蛋白(Aβ)が蓄積している。家族性AD変異PS1遺伝子導入培養細胞においても毒性ターン構造Aβ蓄積が増加していた。3xTg-ADマウスの神経細胞では、同じ2ヶ月齢から小胞体(ER)ストレスの分子マーカーであるGRP78が増加しており、毒性ターン構造AβがERストレスを促進し、神経細胞の蛋白品質管理機構の機能障害を惹起することで認知機能障害を生じる可能性が示唆された。 平成23年度までに、培養細胞では家族性AD変異PS1遺伝子によりIDE活性が低下し、APO処理によりIDE活性が上昇することを見出した。平成24年度は、3xTg-ADマウス脳におけるIDEのウェスタンブロットおよび活性測定を行い、APO治療の影響を検討した。3xTg-ADマウスではnon-Tgマウスと比べて代償性にIDE活性が上昇しており、加齢に伴い活性低下が見られた。また、APO治療3xTg-ADマウスではIDEの蛋白量は変化なかったが、活性は上昇していた。 平成23年度までに、APO治療は神経細胞内のインスリンシグナリングを改善させる可能性が示唆された。細胞内のリン酸化インスリン受容体基質-1 (IRS-1)の増加がインスリン抵抗性亢進(インスリンシグナリング低下)の指標となるが、APO治療3xTg-ADマウスではウェスタンブロットでリン酸化IRS-1蛋白レベルの低下が見られた。従って、in vivoでもAPO治療によりインスリンシグナリングの改善が示唆された。 以上より、APO治療はADマウス脳の神経細胞におけるインスリン抵抗性を改善し、それがIDE活性を上昇させ、神経細胞内外のAβ分解を促進すると考えられ、ADの記憶力回復につながる治療標的の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)