2012 Fiscal Year Annual Research Report
「メタボリックシンドローム」と認知症の関連の解明:認知症モデルマウスを用いた研究
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22590948
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Research Institution | 国立病院機構 |
Principal Investigator |
吉山 容正 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (50292701)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肥満 / 認知症 / タウ / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満状態と認知症の危険因子と考えられている。肥満は各種慢性疾患の危険因子でありそのため、肥満自体の認知症病態への影響の検討は、それにより生じる合併症の関与を除外して検討することがかなり困難である。そこでわれわれはヒト変異タウ遺伝子導入マウスはタウ病理を示し、アルツハイマー病のモデルマウスと考えられるこのマウスを利用した。このマウスに高カロリー餌を投与し、その脳内病理の変化を検討した。今回投与した高カロリー餌は、中等度の高カロリーで、体重の増加とレプチン耐性は生じたが、インシュリン耐性は生じないという非常に特異な病態を再現できた。この状態でタウ病理が増強することがわかり、このタウ病理の増強にはインスリン異常では無くレプチンの異常が関与している可能性が示唆された。一方、この高カロリー摂取マウスに自発的は運動を行わせることにより、体重の減少は起こさず、レプチン耐性を改善することができた。この運動により、高カロリー摂取で増強したタウ病理が、改善していた。このことからもレプチン耐性がタウ病理の増強に強く関与している可能性が示唆された。レプチンの耐性と他の病理的変化の関係を検討したところ、レプチン耐性とグリア細胞の活性化が関連している可能性が示唆された。興味深いことに、レプチン受容体の発現をみると、アストロサイトにレプチン受容体が発現し、高カロリー摂取によりその発現が増強することがわかった。一方、神経系に関してはレプチン受容体の下流にあるタンパクの発現が低下しており、神経系に関しては耐性が生じていると推定された。この神経系とアストロサイトの高レプチン状態に対する反応性の低下が、タウ病理の増強に関与していると推定された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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