2012 Fiscal Year Annual Research Report
βセクレターゼの機能制御に基づくアルツハイマー認知症の新治療法開発に向けた研究
Project/Area Number |
22590951
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
荒木 亘 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第6部, 室長 (60311429)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー病 / アミロイド / βセクレターゼ / 脂質ラフト / LRP1 |
Research Abstract |
平成23年度に引き続き、神経細胞におけるβセクレターゼ(BACE1)と脂質ラフトの関連性、関連タンパクによるBACE1の制御に関する研究、およびBACE1活性の阻害作用を持つ低分子化合物の探索研究を行った。LDL receptor-related protein 1(LRP1)と同等の性質を持つ短縮型LRP-L4とBACE1を、HEK293細胞に共発現する系を用いて、LRP1のBACE1発現に対する抑制的制御のメカニズムについて、種々の解析を進めた。その結果、その制御には、タンパク相互作用を介したBACE1の細胞内局在、輸送や安定性の変化が関与していることを示唆する複数の証拠が得られた。さらに、初代培養神経細胞に組換えアデノウイルスを用いて、LRP-L4、BACE1を発現させる系で、LRP-L4がBACE1発現を抑制し、Aβ産生を減少させることを示した。従って、BACE1の制御分子としてのLRP1の意義を明らかにすることができた。RTN3が生体において、BACE1の抑制を介して、Aβ蓄積を低下させる作用を持つことを、APPトランスジェニックマウス、RTN3トランスジェニックマウスを用いて証明した研究論文をまとめ、国際誌に発表した。また、RTN3がBACE1を制御する細胞内部位と脂質ラフトの関連を調べるため、組換えアデノウイルスを用いてRTN3、APP、BACE1を共発現させる系を構築した。研究協力者から提供された化合物ライブラリーを用いて、BACE1阻害作用を持つ低分子化合物のスクリーニング実験を継続した結果、2個の構造的に類似した新規なBACE1阻害化合物候補物質が得られた。さらに,これらの化合物がAβ産生に対して軽度の抑制効果を有することを、変異APP発現神経細胞株、及び初代培養神経細胞への添加実験により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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