2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミン様蛋白による神経細胞障害の生体内におけるメカニズムの解明
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22590956
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
椎野 顯彦 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (50215935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / ミトコンドリア / アミロイドβ / 磁気共鳴 / ダイナミン様蛋白 / 一酸化窒素 / 酸化ストレス / 軸索障害 |
Research Abstract |
ダイナミン様蛋白質であるDRP1 のS-ニトロシル化がミトコンドリアの過剰な分裂を引き起こすことがアルツハイマー病の原因にあるかどうかを研究した。この目的のためにTriple transgenic miceを用いた。ELISA法によるアミロイドβ(Aβ1-42)、タウタンパク、リン酸化タンパクの測定、MRIによる軸索輸送の計測を行った。Mgを用いた軸索輸送の計測では、Tgマウスは野生型と比べて軸索輸送に問題のあることが判明した。次に大脳皮質に定位的にglyceryl trinitrate (GTN)を投与するとダイナミン様GTPase (DRP1)のS-ニトロシル化が起きることを確認した。Western blotによりこの反応は容量依存性に増加すること、Tgマウスに比べ野生型(Wt)のマウスではこの変化が少ないことから、Aβがこの反応を増強している可能性が示唆された。さらに、WtマウスよりもTgマウスにおいて3-nitrotyrosine の量が増加していることが判明した。これは、GTN投与後のNO産生がTgマウスにおいて亢進していることを示唆する結果であった。次に神経細胞内ミトコンドリアを形態学的に観察すると、Tgマウスにおいて小型のミトコンドリアが多数認められた。しかしながら、Tgマウス、WtマウスともにGTN投与周辺の神経細胞のミトコンドリアの形状にあまり変化はなく、GTNによるミトコンドリアの分裂を証明するには至らなかった。現時点では、脳内NOに発生によるDRP1 のS-ニトロシル化が神経細胞の変性をきたす直接証拠はないが、アミロイドβはNOの慢性的な脳内での発生を促進し、かつ、ダイナミン様GTPase (DRP1)のS-ニトロシル化を誘発させることにより、脳内ミトコンドリアの分裂を惹起させ、このことがアミロイドβによる神経変性の原因と推測された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)