2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590958
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上野 正樹 香川大学, 医学部, 准教授 (30322267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 晴彦 香川大学, 医学部, 教授 (60106549)
黄 政龍 財団法人田附興風会, 医学研究所・第一研究部, 研究主幹 (10271511)
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Keywords | 血管性認知症 / 血管脳関門 / オステオポンチン / CD36 / Glut5 |
Research Abstract |
血液脳関門障害を伴う血管性認知症の治療目的のため、オステオポンチン治療に併用予定のアンギオテンシン受容体の阻害剤(ARB)の効果を検討した。高血圧ラットにAT1阻害薬を投与したところ、血液脳関門障害及び認知機能を改善され(Hypertens Res 2010 ; Am J Hypertens 2011)、一過性脳虚血モデル動物にARBを投与したところ、虚血障害を軽減させることができた(J Hypertens 2011)。また、アンギオテンシンIIは、活性酸素産生を介してアストロサイト障害をもたらしていた(Hypertens Res 2011)。 一方、血管性認知症の新規増悪因子を検討していく中で、血管性認知症モデル動物の血液脳関門障害血管で発現が亢進しており、血管性認知症の治療のためのターグットになりうる分子として、新たにCD36を指摘することができた(Neuropathol Appl Neurobiol 2011)。さらに、フラクトースが血管性認知症の増悪因子として働く可能性を示唆する結果が出てきており、フラクトースの脳内への輸送体であるGlut5の局在を、in-situ hybridization法にて検討を行っている。 また、オステオポンチン単独での投与実験のみならず、これらの実験結果に基づいたCD36やLDL受容体やGlut5の発現の調節やARBの投与により、オステオポンチンと種々の薬剤の併用でより効果的な治療を行える可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管性認知症の治療の新しいターゲットの候補として、CD36をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
治療のターゲットとして、オステオポンチンやCD36以外にもあげることができるか、検討を行う。 オステオポンチンとARBの併用を行い、その具体的問題点を探る。その解決のため、投与時期を複数検討する必要が出てくることが考えられる。
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Research Products
(11 results)