2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590966
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
吉村 弘 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90288845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
森本 茂人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20150336)
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Keywords | 経度認知障害 / 認知症 / 脳波周波数分析 / 音楽刺激 / 画像刺激 / 長谷川式簡易知能スケール / 脳刺激仮想空間システム |
Research Abstract |
欧米を中心にして、認知症・アルツハイマー病の予備群を軽度認知障害(MCI)と名付けて、このMCIを認知心理学、画像、神経生理学検査法などから診断する試みがなされている。本研究では認知心理学検査と脳波周波数分析を融合させて、非侵襲で簡易的な検査法による軽度認知障害の評価基準を作成することを目的として研究を開始した。 平成22年度において、長谷川式簡易知能スケール検査(HDS-R)のおこなわれた患者と健常者を対象として、脳波周波数分析の可能な脳刺激仮想空間システムをもちいて視覚(音楽)・聴覚(画像)刺激をおこない、前頭部より脳波計測をおこなった。その結果、認知能力の低下と多様な脳波リズムパターン発生能力の低下との関連性を示すことができた。 平成23年度においては、画像を見ながら音楽を聴いて、リズムに合わせてドラムを叩くという運動をおこなっている間の脳波計測をおこなった。「画像+音楽刺激」の場合と「画像+音楽+ドラム」の場合について、各周波数の出現様式を調べた。健常者からの計測では、ドラムを叩くという運動が加わった方においてβ波出現率が有意に増加した。一方、認知症患者からの計測では、ドラムを叩くという運動が加わった方においてβ波出現率に増加傾向がみられたが、健常者と比較すると増加率は小さかった。また、このβ波出現率の増加と長谷川式スケールとの間に正の相関があった。 最近、周囲環境を認知して行動に移す際にβ波が関わっている可能性のあることが報告されている。今回の結果は、リズムを含めた環境認知能力が認知症の進行と関連しており、それが脳波計測で判定できるということを示しているのかもしれない。次年度において、頭部CT、脳MRI、SPECT、FDG-PET等の検査結果を照合することで、軽度認知障害の脳活動を評価し、非侵襲で簡易的な検査法の開発をおこなう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波計測、脳波周波数分析についてはおおむね順調に進展しているが、頭部CT、脳MRI、SPECT、FDG-PET等の検査結果の分析と照合が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波計測データと頭部CT、脳MRI、SPECT、FDG-PET等の画像の生データはすでにあり、今後は画像解析ソフトを使って画像解析をおこない、脳波計測結果との相関を調べていく。
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Research Products
(4 results)