2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590966
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
吉村 弘 金沢医科大学, 医学部, 協力研究員 (90288845)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 軽度認知障害 / 認知症 / 脳波周波数分析 / 音楽刺激 / 画像刺激 / 長谷川式簡易知能スケール / 脳刺激仮想空間システム |
Research Abstract |
平成22年より、視覚刺激(画像)と聴覚刺激(音楽)をそれぞれ与えた場合、健常者と認知症患者から計測した脳波の出現パターンに違いがみられた。健常者では、視覚と聴覚という異なる刺激に対して、脳波周波数の出現パターンに著名な違いがあるが、認知症患者においては、上記刺激に対する脳波風波数出現パターンの差が小さくなっていた。さらに、この傾向は長谷川式簡易知能評価スケールの値と相関があり、認知症進行度の指標となることが示唆された。続いて、平成23年において、周囲環境認知と運動開始にβ波が関わっている可能性を示すことができた。この結果を踏まえて、平成23年から平成24年にかけて、画像を見ながら音楽を聴いて、リズムに合わせてドラムを叩くという運動をおこなっている間の脳波計測をおこなった。「画像+音楽刺激」の場合と「画像+音楽+ドラム」の場合について、各周波数の出現様式を調べた。健常者からの計測では、ドラムを叩くという運動が加わった方においてβ波出現率が有意に増加した。一方、認知症患者からの計測では、ドラムを叩くという運動が加わった方においてβ波出現率に増加傾向がみられたが、健常者と比較すると増加率は小さかった。また、このβ波出現率の増加と長谷川式スケールとの間に正の相関があった。このことは、何かの指標を認知して運動遂行するという能力の判定が、認知症進行度の判定に有用である可能性を示唆している。そこで、咀嚼運動に注目して、咀嚼能力と長谷川式知能評価スケール、MRI検査による脳の委縮の程度を調べたところ、咀嚼能力の低下、長谷川式スケールの低下の間に相関があり、脳萎縮も進行している傾向があった。長谷川式簡易知能評価スケールにおいて初期と判断される群で、いかに差を抽出できるかが、経度認知機能障害患者の認知症へのリスクの判定が可能かどうか左右する。今後、数年にわたる継続的評価が必要と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)