2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590968
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
齊藤 祐子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床検査部, 医長 (60344066)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経病理 / 高齢者 / タウオパチー |
Research Abstract |
【目的】進行性核上性麻痺 (PSP)、皮質基底核変性症 (CBD)の臨床亜分類が提唱され、神経病理学的差異が問題となっている。PSP、CBD病理診断例の総合的検討を試みた。【方法】臨床病理学的検索は、Hauwら、Dicksonらの病理診断基準をそれぞれ用いた。臨床症状より、Richardson syndrome (RS)と、corticobasal syndrome (CBS)を抽出、神経病理学的に比較検討した。【結果】病理診断PSPは22例で、死亡時年齢は平均72.4歳、臨床型はRS 12例、CBS 3例、parkinsonism 3例,その他 4例であった。病理診断CBDは11例で、死亡時年齢は平均77.1歳、臨床型はRS 2例、CBS 3例、FTD 2例, parkinsonism 2例、その他2例であった。PSPの病理では、CBSはRSに比べ、タウオパチーの皮質への広がりが目立つ一方、CBDでは、RSがCBSに比べ、中心前回・前頭葉穹隆部、脳幹被蓋、視床下核、辺縁系にタウオパチーが目立った。CBSの病歴では、2年以内の転倒はなく、CBDで頸部後屈を認めなかった。病理では明らかな差異は認めなかった。RSの病歴では、PSPはCBDに比べて転倒と垂直方向眼球運動麻痺が早期から出現していた.RSの病理では,中心灰白質や動眼神経諸核のタウオパチーの程度がPSPでCBDより強かった.【結論】今回の検討では、PSPとCBDは、神経病理学的病変分布が、臨床症状を規定する可能性を示唆する結果であった。中心灰白質や動眼神経諸核は眼球運動障害や転倒に関連があり、臨床診断において重要な鑑別点と考えた。両者で完全に乖離する解剖学的部位の同定が、形態画像診断に向けた今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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