2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス下におけるGCN2による膵β細胞量調節機構の解明
Project/Area Number |
22590981
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞 / GCN2 / インスリンシグナル |
Research Abstract |
全身性GCN2ノックアウトマウス(GCN2-/-マウス)を作製し、代謝パラメーター及び組織学的な解析を行い、対照マウスと比較した。 GCN2-/-マウスの膵島やGCN2ノックダウンINS-1細胞を用いてインスリンシグナルの変化を検討した。 作製したGCN2-/-マウスを高脂肪食下で24週齢まで飼育したところ、 GCN2-/-マウスは野生型マウスと比較し、耐糖能は野生型と比べて有意に悪化し、膵β細胞量は有意に減少していた。高脂肪食下に飼育したGCN2-/-マウス の膵島では、mTORC1シグナルの亢進により、ネガティブフィードバックを介したインスリンシグナル低下をきたし、我々が以前報告したTSC2ノックアウトマウスの膵島での変化と同様にネガティブフィードバックを介して膵β細胞量が減少していることが明らかとなった。 ラットの膵β細胞株であるINS-1細胞にグルコース刺激を行ったところ、GCN2が活性化され、その活性化はシクロホスファミドによる蛋白翻訳阻害で、打ち消された。この結果から、我々は、高脂肪食で飼育したマウスにおいてはインスリンの需要が高まり、膵β細胞におけるインスリンの翻訳が亢進しているためにGCN2が活性化しているという仮説を構築した。通常食で飼育したマウスと比較し、高脂肪食で飼育したマウスの血清においては、アミノ酸濃度は有意に増加するものが多かった。しかし、高脂肪食で飼育したマウスの膵島ではアミノ酸全般の濃度低下が認められた。したがって、膵β細胞でインスリン蛋白の翻訳が亢進し、膵β細胞内のアミノ酸濃度が低下することにより、uncharged tRNAの増加をリガンドとしてGCN2が活性化していることが示唆された。 高脂肪食で飼育下GCN2-/-マウスは、mTORC1シグナルの恒常的亢進によるインスリンシグナルの低下が膵β細胞量減少を引き起こす一因であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)