2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590991
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西 理宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90228148)
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Keywords | 糖尿病 / シグナル伝達 / インスリン分泌 / グレリン / IA-2β / AMPキナーゼ / UCP2 |
Research Abstract |
本年はグレリンによるインスリン分泌抑制機構のうち主として「グレリンによるインスリン分泌抑制におけるIA-2β以外の因子の関与(特にAMPK-UCP2経路の関与)」について検討を行った。視床下部NPY-AGRP細胞ではAMPK-UCP2経路によりグレリンの作用が伝達されると報告されている(Nature 454:846,2008)。AMPK、UCP2は膵β細胞にも存在し、UCP2発現が亢進すればATP産生低下によりインスリン分泌が低下すると想定される。実際我々はUCP2遺伝子多型が2型糖尿病患者のインスリン分泌能に関連していることを報告している(Diabetes53:482,2004)。そこで、インスリン分泌細胞株MIN6細胞においてグレリンによるAMPK活性化、UCP2発現亢進の検討、AMPK活性化やUCP2発現レベルのインスリン分泌への影響、AMPK活性化薬(AICAR)やUCP2過剰発現、またはsiRNAの影響を検討し、さらにAMPK-UCP2経路とIA-2βのクロストークについてもUCP2過剰発現、siRNA時のLA-2β発現の変化とIA-2β過剰発現、siRNA時のUCP2発現の変化を検討した。予想通りグレリンはAMPK活性化を通じてUCP2発現を亢進させ、その結果インスリン分泌を抑制していた。また、LA-2β経路とAMPKUCP2経路は互いに独立し1ていた。以上の結果は原著として投稿し掲載された(FEBS Letters 584:1503-1508, 2010)、また米国糖尿病会議(American Diabetes Association)において発表した。
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