2012 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病の発症に果たす膵ラ氏島内マクロファージ浸潤の役割とその分子機構の解明
Project/Area Number |
22590993
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
石田 均 杏林大学, 医学部, 教授 (80212893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
犬飼 浩一 杏林大学, 医学部, 准教授 (20333007)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / マクロファージ / 膵β細胞 / 脂肪細胞 / サイトカイン / 熱ショック蛋白 |
Research Abstract |
2型糖尿病の発症機構に重要な膵β細胞からのインスリン分泌不全の成因の1つとして、糖尿病状態下での膵ラ氏島へのマクロファージの浸潤が関与する可能性が指摘されている。私達の今までの検討のなかで、この浸潤に関与すると考えられるMCP-1や、血管新生因子のVEGF が膵β細胞株のMIN6細胞に発現しており、またMCP-1やVEGFの放出が、糖尿病状態下に増加することを見出している。そこで、これらのサイトカイン放出を抑制することで細胞保護的に作動する生体内メカニズムを検索する目的で、膵β細胞と同様にMCP-1やVEGFを強く発現し放出する3T3L1脂肪細胞を用いて、以下の検討を加えた。すなわち最近になり、私達は浸潤マクロファージ由来と想定されるIL-1β刺激により、脂肪細胞での熱ショック蛋白(HSP)72の発現が減少することを見出した。また肥満状態下の脂肪組織では、HSP72発現が減少することが報告されている。そこで今回、3T3L1脂肪細胞をin vitro の系で温熱処理することで内因性のHSP72発現を増大させ、MCP-1ならびにVEGFの分泌動態について解析を行った。温熱処理のために細胞を41℃の条件下で20分間培養したところ、細胞内のHSP72含量が非処理の対照群の2.8倍へと有意に増加するとともに、細胞からのMCP-1分泌量が対照群の25%にまでと著明に減少した。一方で、VEGF分泌量については有意な変化を認めなかった。したがって同様の内因性機序が膵β細胞においても作動している可能性が考えられることから、HSP72の2型糖尿病状態下での膵βならびに脂肪細胞保護機構に果たす役割を明らかにするとともに、これらの機構に関与している細胞内情報伝達系の詳細についても、今後検討を進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)