2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規ApoA1結合蛋白プログラニュリンのプラーク破綻と痴呆発症メカニズムの検討
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22591000
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大濱 透 大阪大学, 保健センター, 助教 (20467583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 静也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60243242)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | プログラニュリン / HDL / 動脈硬化 / 痴呆 |
Research Abstract |
我々は、PGRN-KOマウスとApoE-KOマウスを掛け合わせたdouble KO(DKO)マウスを作製し、DKOマウスがApoE KOマウスと比較して著明な動脈硬化を示すことを見出した。大動脈におけるTNF-αやICAM-1、VCAM-1のmRNA発現の有意な増加やeNOSやphospho-eNOSの蛋白発現低下を認めた。また、PGRN欠損マクロファージでは対照群マクロファージと比較して酸化LDLの取り込みが有意に亢進しており、これに符号するようにDKOマクロファージでは酸化LDL取り込みに関与するCD36やscavenger receptor class Aの発現が亢進していることも見出した。さらに、PGRN欠損HDLでは、HDLの抗酸化能を担うplatelet-activating factor acetylhydrolase(PAF-AH)の低下、炎症性蛋白の一つであるserum amyloid Aの増加を認めた。このようにPGRN欠損は炎症亢進、マクロファージの易泡沫化、HDL機能異常などにより動脈硬化促進されるものと考えられ、現在論文revise中である。 また、急性冠症候群(ACS)における血栓吸引血などのculprit lesion近くでは末梢血と比較してPGRN濃度は低値であり、プラークの不安定性に関与している可能性が考えられたが、平成24年度はコントロールとなる群の採血を施行し、比較検討を行い、論文投稿予定である。 FTD、アルツハイマー型痴呆患者の中で、現段階でPGRNが極端に低値である検体は見出されていない。多くの症例が報告されている欧米と比較して、日本ではPGRN変異型の痴呆が少ないのか、いましばらく検討する数を増やしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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