2012 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析患者における脂質異常症に対するスタチンのアポ蛋白代謝改善効果の解明
Project/Area Number |
22591002
|
Research Institution | 防衛医科大学校 |
Principal Investigator |
池脇 克則 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (40287199)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 透析 / アポ蛋白 / リポ蛋白 / 安定同位体 / スタチン |
Research Abstract |
前回、血液透析(HD)患者のアポ蛋白代謝異常を報告した(Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 25: 2615-22, 2005)。すなわち、IDL apoBの異化が遅延するためにIDLが蓄積すること。LDL apoB濃度は正常にも関わらず、その異化速度は遅延している事であった。今回、6名のHD患者に対して3ヶ月間、アトロバスタチン(A)10mg/日を投与して、HD患者のアポ蛋白代謝への影響を安定同位体を使った代謝実験で検討した。患者は38-63歳の患者で血清クレアチニン濃度は6.5-9.2mg/dlであった。A投与によってLDL-コレステロール(C)濃度は104+/-30mg/dlから69+/-34mg/dlへと有為に低下した。代謝実験ではVLDL, IDL, LDL分画のapoBを分離しGC-MSでtracer/tracee ratioを測定し、multicompartmantal modelをSAAMIIで構築してfractional catabolic rate (FCR /day)とproduction rate (PR mg/kg per day)と求めた。その結果、A治療前後で、VLDL apoB FCRは5.2+/-3.0から7.2+/-3.1へと増加したが, VLDL PRは19.4+/-6.7、21.3+/-8.0、IDL apoBはFCRは12.2+/-11.6、11.6+/-6.7, PRは14.2+/-6.6、10.6+/-5.8と変化を認めなかった。LDL apoB FCRは0.446+/-0.232から0.851+/-0.772へと有意に増加したが, PRは14.0+/-4.8、15.1+/-7.0と変化を認めなかった。以上から、スタチンはHDの代謝異常の中でVLDLとLDLの異化障害を改善する事が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)