2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロメジンUの動脈硬化発症・進展における役割の解明と治療への応用
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22591004
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
斯波 真理子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子薬理部, 室長 (70271575)
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Keywords | 脂質異常症 / モデル動物 / 動脈硬化症硬 / アポEノックアウトマウス / コレステロール / ニューロメジンU |
Research Abstract |
新規神経ペプチドであるニューロメジンU(NMU)の脂質代謝および動脈硬化症への関わりを明らかにすること、さらにその知見を用いて新しい治療法の開発を行うことを目的として、脂質異常症モデル動物であるApoEノックアウトマヴス(ApoE-KO)との交配により、NMU/ApoEダブルKOマウス(NMU/ApoE-KO)を作成した。本年度は、NMU/ApoE-KOの病態解析を行った。 NMU/ApoE-KOの総コレステロール(TC)値;1374±99mg/dl、VLDL-C;919±69、LDL-C;410±35、HDL-C;43±4、TG;255±136であり、脂質異常症のモデルマウスとしても有名なアポE-KOの(TC;717±6、VLDL-C;460±140、LDL-C;228±55、HDL-C;29±10、TG;65±11)に比べても、著明な高VLDL-C、LDL-C血症、高TG血症を示すことが解った。また、NMU-KOの(TC;99±8、VLDL-C;4±1、LDL-C;7±1、HDL-C;88±12、TG;36±4)は正常のものとの差を認めなかったことから、NMUとApoEのダブルKOにより著明な高TC血症を示すことは非常に興味深い。2週間の高脂肪食負荷により、NMU/ApoE-KOのTCは3697±737、ApoE-KOは3436±491になった。一方、無コレステロール食負荷にては、NMU/ApoE-KOは2週間でTC値が803±207まで低下を示したが、ApoE-KOマウスは519±116まで低下を示した。これらのことから、NMU/ApoE-KOマウスは普通食下において、今まで報告された脂質異常症モデル動物よりはるかに高いコレステロール値を示す一方、食事内容によってその値は制御されることが解った。
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