2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミネラル・骨代謝異常における酸化ストレスの関与の解明
Project/Area Number |
22591007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田口 学 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00265141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 誠二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30202287)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨、ミネラル代謝 / 酸化ストレス / 骨芽細胞 / 高リン血症 |
Research Abstract |
慢性腎臓病に伴う高リン血症等のミネラル異常は骨代謝に影響を来たすことが知られているが、リンの骨芽細胞に対する効果は必ずしも明らかでは無い。今回、骨芽細胞様細胞株MC3T3を用いてリンの骨芽細胞機能に対する効果を検討した。 リンは骨芽細胞のROS産生を容量依存性に促進した。リンによって促進されたMC3T3細胞のROS産生はXanthine oxdase阻害剤やミトコンドリア呼吸鎖阻害剤では抑制されず、Na-P共輸送体阻害剤のfoscanet、及びNADPH oxidase阻害剤やNoxに対するsiRNAにより抑制された。またリンはMC3T3細胞においてBMP2誘導性のALP、Runx2、オステオカルシンの発現を抑制した。更にリンによるALP活性促進の抑制はfoscanetやNADPH oxidaseの阻害剤で解除された。ALP活性を指標として評価した骨芽細胞分化抑制は、NADPH oxidaseの阻害剤により解除された事から、リンは主にROS産生の促進を介して骨芽細胞分化を抑制するものと考えられた。一方リンはERKのリン酸化を惹起することも知られている。MC3T3細胞はリンによりERKのリン酸化を促進したが、MAPK/ERK kinase (MEK)阻害剤であるPD98059は、PD98059自体がALP活性促進作用を示し、またリンによるALP活性抑制作用はPD98059により完全には回復せず、リンによるERKのリン酸化は、リンによる芽細胞分化抑制作用の少なくとも主要な経路ではないものと考えられた。 本研究により、細胞外のリンはNADPH oxidaseを介したROS産生によって、骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞の分化に抑制的に作用することが明らかとなった。このリンの作用機序、さらにはin vivoにおいても同様のリンの効果が認められるかについては、今後の検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)