2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規アディポカイン、ケマリンの糖尿病発症における役割の解明
Project/Area Number |
22591012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 路子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70570274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕 神戸大学, 医学研究科, 講師 (70301281)
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Keywords | ケマリン / アディポカイン / 糖尿病 |
Research Abstract |
私たちは新規生理活性物質を探索するプロジェクトにおいてケマリンを同定した。私たちを含む4つのグループから独立して発見されたケマリンは新規アディポカインとして注目されているがその生理機能は不明である。私たちはこれまでにノックアウトマウスおよび糖尿病患者サンプルを用いて解析を行い、ケマリンがインスリン分泌、インスリン感受性の両方を調節する新規ホルモンであること、ヒトにおいて血中ケマリン濃度が糖尿病発症と関連していることを発見した。本研究においてはこれまでの内容をさらに発展させ、ケマリンの糖尿病の病態との関連、生理作用の解明から臨床応用を目指した基礎的検討を行ってきた。ケマリンノックアウトマウスにおいては、耐糖能異常、インスリン抵抗性を呈することが明らかになった。脂肪組織においては、インスリンシグナルを調節しており、インスリン感受性を調節している可能性が考えられた。またグルコースクランプ試験では、ケマリンノックアウトマウスにおいて筋肉におけるインスリン感受性が改善している一方、肝臓における糖新生が亢進していた。さらにインスリン分泌について詳細に解析したところ、ケマリンノックアウトマウスの膵島ではグルコース依存性インスリン分泌が低下しており、その機序としてβ細胞機能調節に重要な転写因子の発現が低下していた。その転写因子の発現を単離膵島においてレスキューしたところ、グルコース依存性インスリン分泌が改善したことから、ケマリンは転写因子発現を調節することによるβ細胞機能を制御していると考えられた(論文投稿中)。
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[Journal Article] Adult combined GH, prolactin and TSH deficiency associated with circulating PIT-1 antibody in humans2011
Author(s)
Yamamoto M, Iguchi G, Takeno R, Okimura Y, Sano S, Takahashi M, Nishizawa H, Handayaningshi AE, Fukuoka H, Tobita M, Saitoh T, Tojo T, Mokubo A, Morinobu A, Iida K, Kaji H, Seino S, Chihara K, Takahashi Y
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Journal Title
J Clin Invest
Volume: 121
Pages: 113-9
Peer Reviewed
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